2010年6月27日日曜日

日本丸入港

「日本丸」と言う帆船をご存知でしょうか?
独立行政法人が所有する練習船で、今回は海王丸と揃って神戸港にやって来ました。
帆船には豪華客船にはない、わくわくする冒険の匂いがあります。
しかも青い空に白い帆を張った姿の美しさは誰もが 認めるところでしょう。

この貴重な機会を逃すまいと、さっそくスケッチに出かけました。
残念ながら停泊していたのは日本丸一艘のみ。
しかも帆は几帳面にたたまれ、マストから垂れる幾本ものロープだけが風を受け流していました。
それでも神戸のポートアイランドをバックに停泊する姿は、十分に美しく、スケッチするのに不足はありません。
この日は夏を思わせる暑さでしたが、空の色は正直です。
5月の真っ青な空ではなく、真夏の白く輝く空でもなく、青に紫がにじんだような6月の柔らかな空色でした。
海の色は深く、濃い青色。そして船体はもちろん白。
何も塗っていないはずの「白」が優美な日本丸の主役です。

2010年6月20日日曜日

洲本アルチザンスクエア

洲本城の急な山道を下り、街中へ。
無料の足湯で疲れを癒した後、寺町を経由してアルチザンスクエアへ向かいました。
さほど気を惹かれる風景の無かった寺町に比べ、アルチザンスクエアは魅力たっぷり。
旧鐘紡洲本工場跡を利用した再開発で、公園を中心として図書館、ショップ、レストラン等に変貌した煉瓦建築群が並んでいます。
煉瓦の塊が見せる存在感もさることながら、一見廃墟のような門をくぐると、図書館の前庭があったり、ショップの玄関があったりと、人を惹き付ける仕掛けが見事です。
本当はその魅力をたくさん描きたかったのですが、帰りのバスの時刻が迫っていて時間切れ・・・残念ながらスケッチできたのはこの煉瓦倉庫のみです。
調べてみると大正時代に造られた建物のようで設計者は誰なのかわかりません。
しかし、現在はレストランとして大人気。しかも町の再生にも一役買っていることを知れば、設計者もきっと満足していることでしょう。

2010年6月13日日曜日

淡路島の雲

淡路島は「島」と言うには大きすぎて、無人島に上陸する探検家が抱くような興奮はありません。
しかし、ここ「洲本城跡」から見下ろす半島の絶景は十分に訪れた人の絵心を刺激してくれます。

海の色は意外に淡く、寄せる潮の流れが感じられるほどです。
大きな神戸港とシンプルな須磨の海岸を見慣れた僕には小ぶりな港と幾重にも重なる入り江は見ていて飽きません。
そして高い建物の無いこの風景で一番大きな顔をしているのはなんと言っても、広い空。
そこに悠然と浮かぶ雲は、下界を監視しているようで・・・そう、まさに島の主人公です。

2010年6月6日日曜日

法隆寺

国宝「法隆寺」。
回廊の内に、塔と金堂を並列配置するという、左右対称をわざと崩した日本独自の配置が特筆に価すると学生時代に習った気がします。

田園風景の中に塔と金堂が並ぶその構図を求め、歩き回りましたが、今は人里の中、残念ながら願いはかないませんでした。
しかし、裏山の小道を歩くと、木々の間からほんの一瞬、五重塔を垣間見ることができます。
そこにある人工物は土塀と瓦、お寺の黒っぽい軸組みと白い漆喰壁のみ。
豊かな緑とモノトーンの構成は都会のノイズに鳴らされた僕らの眼にはとても新鮮です。
難しい解説は無くとも、感じることができます。
・・・まさに国宝と。