2013年6月2日日曜日

30年前の相楽園


5月の相楽園の見所は新緑の和風庭園だけではありません。
昭和38年に移築された「異人館」旧ハッサム邸と明治43年に建てられた洋風建築の厩舎が並んで建っています。ハッサム邸のユニークなデザインの2本の煙突と、厩舎のドーム屋根がその存在感を際立たせています。

左下のサインをご覧ください。実はこの絵は昭和58年5月3日に描いたもの。
もちろん新緑の美しさはこの時も、今も変わるところはありません。
でもこの絵にはひとつだけ現実と違うところがあります。
実は今のハッサム邸には煙突が一本しか無いのです。
何故でしょうか。
そう、1985年の阪神淡路大震災で煙突が1階まで床を突き抜けて落ちてしまったからです。
震災の記憶を残すためにあえて、元に戻さなかったそうです。

スケッチすることは歴史の断面を書き留めることでもあるようです。