2014年9月27日土曜日

ウィーンからプラハへ その1

今年の夏、長年の夢だったウィーン、そしてプラハを訪れました。
今週からしばらくその旅行記にお付き合いください。
実は今回の旅行はトラブル続き。出発の日の早朝から関西を台風が襲い、天候は大荒れ。
ぎりぎりのタイミングで日本を脱出することが出来たものの、午後からの便は欠航が続いたとか。
さて退屈な十数時間を機内で過ごし、ウィーンに着いたのはその日は夕方。バス停を求めて右往左往するも何とかホテルにたどり着き、その日はすぐ寝ることに。

翌日は6時起床。まずはホテルのあるウィーン西駅周辺を散策。歴史地区ではなく日常的なビジネス街といった風合いです。それでも圧倒的に多いのは窓に破風飾りのあるクラシカルな建物。そしてそれに混じって超現代的な赤や、黄色、紫を外壁に塗った建物が散在しています。
昨年行ったローマやフィレンツェでは許されない異物ですが、ここでは意外に違和感がありません。
何故? この不思議な感覚はこの旅行を通じて、頭をよぎることとなりました。

さて次の建物に行く前に、朝食の話題をひとつ。
3月にアメリカに行った時の記憶から、パンは日本が一番!・・・と思っていたのですが、ウィーンのパンは本当においしい。保証します。
外はややかため、内はふんわりと、しっとりと、そしてほんのりとした甘みと塩味が微妙に利いて、チーズと白ワインとの愛称が抜群にいいのです。
その土地のうまい主食と酒はそこでしか味わえないようです。(まずい主食と酒はどこにでもありますが・・・)

この日の午前中のお目当てはマリア・テレサで有名なウィーン最大の名所、シェーンブルン宮殿。
当然ここでスケッチをと思い、かなりしつこく良い構図を求め歩き回り、描きかけたこともあったのですが、結局パス。
室内の豪華な装飾はさすがに目を見張るものでしたが、外観はいまひとつ。というのも諸室を必要なだけ伸ばしただけの建物なのでプロポーションは単に横に長いだけ。壮大な全体を見ようとすると、ずいぶん離れてみる必要があり、そうすると窓周りに施された凝った装飾も当然見えません。
どうもこのロココの時代の建築家は細かな装飾にとらわれすぎのようです。

午後からはウィーン分離派と呼ばれる建築郡といくつかの有名な教会を見て回りましたが、内部の展示物を見るのに時間をとられ、落ち着いてスケッチする暇がありません。
結局、一枚もスケッチを完成させることが出来ないまま、陽が傾きかけたころ、このベルヴェデーレ宮殿へやってきました。

この宮殿はハプスブルク家の宮殿ではなく軍人の離宮ですが、典型的なバッロク様式。
外観は左右対称で高さも幅も各所の翼楼も程よいプロポーション。屋根は緑青で外壁の漆喰と調和しています。建物頂部を飾る堂々としたデザインは権威の象徴に相応しい。

早速、スケッチを開始。しかしなんと装飾の多いことか。
それも表面的な擬似柱、擬似アーチばかりで、イタリアの中世あるいはルネサンス建築のようなダイナミックな光と影による立体感はありません。
そのぶん細かな装飾の繰り返しに手間をかけるようになったのかもしれません。
さすがに1時間描いてもまだ描いていない装飾がたっぷり残っているのにはややうんざり。
でもこの日描き終えた貴重な1枚。大いに価値があります。



さて、今回の旅行の本当のトラブルは、この後起きました。
なんと、僕の全財産、カードの類を入れた財布を落としてしまったのです。
頼る人のいない一人旅。さあどうする。
人生最大のピンチ。
スケッチなんて描いている場合ではない・・・。