2016年1月31日日曜日

女性の表情を描くその1

 
今日のテーマは「女性の表情を描く」です。前回の「自宅に絵を飾ろう人物画編」では道具など基礎的なお話をしましたが、今回はもう少し詳しく僕の制作過程を教えましょう。
 さて人物画を描くとき、一番大切なことは何だと思いますか?僕はその人の「表情」だと思っています。表情が気に入って描きはじめられると、最後まで楽しく描き終えられるような気がしています。
 当然モデルさんは自分の好みの顔立ちがいいのですが・・・僕の場合は顔の形は卵型、目は切れ長であごはほっそり、唇は厚すぎず、薄すぎず・・・。
 しかし残念ながらこの日、カルチャーセンターに来たモデルさんは丸顔、あごは角ばって広く、目はパッチリと大きな瞳で唇は薄い・・・。一瞬描く気力が萎えたのですが、そんなことは言っていられません。
 そんな時どうするか。それはモデルさんの素敵な部分を強調し、顔を似せることに注意を払わないことです。このモデルさんの場合大きな目とちょっと笑みを浮かべる唇のラインが魅力的です。それを頭に入れ下書きを鉛筆ではじめます。
 上のスケッチは大体の明暗と形が出来たところ。ここまで4時間弱くらいです。
 いつもならここからすぐ着色にかかるのですが、今回は「表情」を強調したかったので、色調を考えるために、いったん全体にベージュ色を重ねて様子を見ました。
 するとちょっと全体にぼけた感じになっていて人物の存在感が希薄な気がしました。そこで再度鉛筆を重ね暗部を描きこむことによって、肌の白さを強調したのが下の図です。
 ここまで鉛筆でのテクニックいかがですか?着色のテクニックはまた来週。次回も是非読んでください。