2016年3月5日土曜日

手描きのスケッチとパソコンで絵を描こう その3




 読者の皆様へ。お待たせしました。実は今回の内容はとてもマニアックなので内心、あまり見てもらえないかと覚悟していたのですが、ありがたいことに予想は大外れ。
  最近にないアクセス数があり、大いに執筆意欲をかきたてられています。
 フェイスブックに「マル秘テクニック」と銘打ちコマーシャルしたのが効いたのかもしれません。ありがとうございます。

 さて改めて、1番目の図が完成作品。そして今日のテーマは海の表現です。
 波のうねり、海の色の変化、さざなみときらめく光・・・こんな要素を表現するにはどうしたらいいのでしょうか。ここでもレイアーの使い方がポイントになります。
 実は海だけで4つのレイアーを使っています。順に説明してゆきます。
 



 まず「海色レイアー」。ご存知の通り、海はけっして青一色ではありえません。ここでは手前がグリーン、水平線に近くなるほど青っぽくしています。透明度70%で下地のイエローグレーを生かしながら、手前をグリーン、水平線をブルーにしてグラデーションをかけたところです。(2番目の図)









 

  波が静かな湖ならばこのままでもよさそうですね。でもここはハワイ。サーフィンで有名なだけあって水底の起伏や湾の地形や風によって水面に大きなうねりが生じています。これを「水のうねりレイアー」に表現します。
 ここからはちょっと手間がかかります。覚悟してください。まず「うねり」は水面の光と影で表現されます。これを海の色で直接描きあげるのは複雑すぎてきっと挫折します。ではどうすればいいでしょう?
 答えは白黒で海部分のうねりを単純に表現した「水のうねりレイアー」を作り「海色レイアーに重ねればいいのです。
 うねりの光と影の空間を白黒で滑らかに表現するには太いペンとぼかしを使うよりもフォトショップのフィルタ機能「雲模様」コマンドを使うほうが簡単かつ美しい。(3番目の図)
 







  えっ?波に見えない?さっきより悪くなった?大丈夫。心配要りません。次にこのうねりレイアーにフィルタ「海の波紋」コマンドを実行してください。(4番目の図)
  どうです?だいぶ波に見えてきたでしょう?














 
 


 でもまだちょっと変・・・。そう遠近感が無いのです。そこでフォトショップのツールメニューから(編集)→(変形)→(遠近法)を選んでください。
 海部分の画像にハンドルがついていますね。そのハンドルをつかんで手前を広げ、奥を狭めます。あとは水平線をきちんと合わせればご覧の通り。(5番目の図)かなりリアルな海になってきました。
 でもこの「水のうねり」レイアーは透明度80%にしていますが、ご覧の通りグレーが勝ちすぎてほとんど下の「海色レイアーが見えてきません。どうすればいいのでしょう。
 透明度を上げればいいって?残念。透明度を上げれば確かに徐々に青っぽくなるのですが、所詮はグレーが上に乗っているので濁った海色にしかならないのです。










 どうすればいいのでしょう。白いところはそのまま透明度80%で重ねて問題ありません。問題はグレーの部分。グレーが濃くなるに従い、「海レイアー」の青が見えるようにすることです。
 これを実現するためにには「レイアーマスク」という機能を使います。レイアーのツールボックスの今描いている「うねり」レイアーを選択し、ツールメニューの(レイアー)→(レイアーマスクを追加)コマンドを選ぶとうねりの通常のレイアーアイコンの横にもうひとつ真っ白なレイアーマスクアイコンが作成されます。
 次にその真っ白なアイコンをALTキーを押しながらクリックすると画面がレイアーマスク作成画面になります。
 レイアーマスクとはそのレイアー(うねりレイアー)の画像をそのまま残す部分は白で、見せない(透明になる)部分を黒で、中間をグレーで塗りつぶしたレイアーです。
 以上の機能を良く考えてみると白黒のうねりレイアーをそのままレイアーマスクの画像にコピーすればいいことがわかります。(6番目の図)
 つまりうねり画像の白いところは透明度80%でそのまま見え、暗くなるにしたがって下の海色レイアーの画像が透けて見えることになるのです。
 こうすればグレーに汚されること無く青い海色が画面に現れてきます。(7番目の図)
 やっと青い海がよみがえりました。このレイアーマスクを使いこなせるようになると、あなたもプロ並みです。













でもハワイの海にしては、まだちょっと華やかさに欠けます。もっとメリハリをつけたいですよね。そこで今度はレイアーボックスの上方にある「描画モード」を使います。今まではすべて「通常」モード。それを「オーバーレイ」モードに切り替えます。すると「うねりレイアー」の明るい部分は「海色レイアー」の青をさらに明るく、暗い部分はより深い青に変化させてくれます。
 そうして出来たのが8番目の図です。かなり1番目の完成図に近づいてきました。
 でもまだまだ・・・。まず水色に華やかさが足りません。それにさざなみがまったく描けていません。
 残念ながら、またまた長くなってしまったので今週はここまで。続きは来週にします。
 
追伸
 心ある友人がこのブログをみてあんなノウハウを教えていいの?お金をもらったら?と忠告をしてくれました。
 でもご安心ください。無料ですよ。