2016年6月5日日曜日

白川郷・五箇山の合掌造り集落

 
  スペイン旅行のスケッチもまだ仕上げていないのに、今年の5月の連休、2泊3日で白川郷・五箇山の合掌造り集落を訪ねました。季節はまさに若葉のころ、快晴に恵まれ、茅葺の合掌造りを堪能するにふさわしい、最高のスケッチ旅行となりました。
 というわけでスペイン旅行記はちょっと中断、久しぶりに美しい日本の美を楽しんでもらいたいと思います。
  この「白川郷・五箇山の合掌造り集落」は北から順に相倉(あいのくら)、菅沼、白川郷の3つの集落からなる世界遺産の登録名称です。共通する特徴はもちろん合掌造りの民家。梁上から棟木に向けて「人」形に、まるで合掌するように屋根材をかけるため、屋根の内部に柱(束)がありません。さらに最大60度の勾配屋根の下には2層、3層の屋根裏空間が生まれます。こうしてできた広大なスペースは山間の農地の低い生産力を補う、養蚕のための重要な作業場となったのです。そしてその仕事場の採光のために設けられた妻側の障子窓は切妻の茅葺屋根と相まって独特の外観を創り出しています。
    さて最初に訪れたのは相倉集落。僕の地元神戸からはまず特急サンダーバードで金沢へ。開通したばかりの北陸新幹線に乗り継ぎ新高岡へ、さらにそこから「世界遺産バス」で揺られること1時間。車を自分で運転しない僕にとっては、とんでもない僻地です。
  そうして訪れた相倉集落は山に囲まれた小さな村。数百メートル四方の生活圏が山の中腹から覗く視界にすっぽりと収まってしまいます。泊まったのはこの中の民家の1つ。夕食の野菜も魚も全てこの周りで採れたものだとか。自然と一体のとなった村の姿、描きとめずにはいられませんでした。