2018年6月12日火曜日

海外スケッチ旅行にでかけよう ドイツ編 その6 ケルン大聖堂


 ケルン駅から歩くことわずかに5分。聖堂の正面に立った人は皆その巨大さに度肝を抜かれることでしょう。圧倒的な存在感と高揚感!神への信仰と人間の創造力が結実して生み出された傑作に感動するに違いありません。
 えっ、じゃあなぜ正面を描いていないかって?もちろんまたしても降り出した雨が直接の原因なのですが、僕の視界をはみ出してどこまでも増殖するディテールに圧倒されてペンを持つ手が動かなかったからというのが真実です。
 それでもそのまま帰るには忍びなく、傘を手に観光客に混ぎれて歩いていると、ちょうどライン川を渡り終えたころ、急に雨雲が消え青空がのぞき始めました。振り返って見えたのがこのシーンです。濃密な装飾は融けあってひとかたまりになり美しいプロポーションの教会が光る空を背景に浮かび上がっています。古の旅人にはこれほど心強い存在はなかったでしょう。「ラインに浮かぶ旅の道しるべ」・・・ケルン大聖堂もうひとつの顔です。