2008年12月28日日曜日

ちょっとリッチなホテル

以前に「バブルの頃」というタイトルでホテルのスケッチを載せたところ、知り合いから「面白い・・・!。シャンプーのブランドがブラバスとか・・・etc.」と、予想に反して好評だったので、久しぶりにホテルのスケッチを載せます。(外が寒いので、季節のスケッチが描けないこともありますが・・・)

時代は同じく1989年。バブル真っ盛りのころ。
各ホテルは都心にこぞってリッチなホテルを作り、ビジネスマンはツインの部屋をシングルユースで借りることも珍しくはありませんでした。
よって、私もここ「東京ロイヤルパークホテル」のツインルームに一人で泊まっています。 (なおシングルユースのときはベッドメークが違うようです。枕を見るとわかりますね)

「リッチさ」を読み取ってみてください。
入口の外には専用の新聞受け。バスルームも1.6M×2.4Mと広く、洗面カウンターはアメニティグッズであふれています。ちなみに今回のブランドは「GUCCI」でもちろん文句なし!(どうぞ拡大してみてください)
ベッドはセミダブル。TVも17インチが主流の当時では画期的な21インチ。
窓辺の高級なティーテーブルとチェアのセットも一人でビールを飲むと、逆にむなしく感じてしまいます。

いまはもうこんな部屋にはなかなか泊れません。あの頃は良かった!

2008年12月21日日曜日

舞子六角堂

地元神戸では「六角堂」と呼びますが、実は平面プランは八角形。
海に面して建っており、塔からの眺めに心も移ろう・・・・よって別名「移情閣」。
そして現在の正式名称は「孫文記念館」です。
名前の通り外部は洋館ですが、内部は完全に中華風。そのギャップが新鮮です。

でも、この建築が何よりも勝っているのはこの立地です。
目の前の光る海が建物を照らすと、屋根と六角のシルエットが強烈に目に焼きつきます。
この瞬間を見た人に、「実は八角形・・・」などとくだらない注は無用なのです。

2008年12月14日日曜日

旧乾邸のお茶会

新聞記事で妻が見つけました。「旧乾邸でお茶会・・・」
前から目をつけていた建築家渡辺節の設計した住宅でいわゆる洋館大邸宅です。
元の所有者が相続税を物納したため、現在は国の管理下にあり、保存運動が起きています。近くに白鶴美術館があり、この建物の前は通るのですが、中には入れず、いつか見たいと思っていたところでした。

早速、電話で申し込もうとしたのですが、すでに締め切りを過ぎていて、連絡がつきません。「とりあえず行くか」と楽観的に出発。
「お茶会」らしく、着物を着た女性がずらり。気後れするものの、一応事情を話し、お願いすると、快くO.Kがでました。

内部のつくりは実に凝っていて、リッチなダイニングの階段からお嬢様が降りてくる、まさに「華麗なる一族」の舞台のようです。詳しくは知りませんが映画撮影にも使われたとか。

さて庭に出て、外観をスケッチ。
実は日頃絵を描く者として感じているのは、お金がかかっている住宅ほど趣味が悪く、案外、絵にする気にならないと言うこと。
しかしこの乾邸は、一味違います。建築主の要望を全部聞いたに違いありません。ある意味いろいろな様式とディテールが混在して悪趣味寸前です。でも全体としてみると違和感が無く、神戸の海を見渡すリビングの空間など現在の建築としてもはっとする空間です。設計者の個性が全てを統一しているような気がします。

スケッチを終え、慣れない抹茶をいただき、「けっこうなお味でした・・・・」
これで一人500円は安い・・・・。

2008年12月7日日曜日

神戸郵船ビル

この建物は神戸海岸通りにあります。設計者は曾禰達蔵。
以前触れた辰野金吾、片山東熊と同じく日本初の建築家の一人です。
窓の黄色いテント庇が示すように、今は商業施設として使われています。
辰野金吾の作品のようにレンガと石のストライプ模様はなく、地味な印象です。本で調べると性格も大人で他の同期生のなかでは一歩引いた存在だったとか。
でも重厚なデザインは静かな存在感があり上品でもあります。
「建物は人を表す」のかも知れません。