2016年5月22日日曜日

海外スケッチ旅行に出かけよう その7 アルハンブラ宮殿 もうひとつの顔


 お待たせしました。アルハンブラ宮殿の裏側・・・もうひとつの魅力的な顔の完成です。表のアルハンブラに劣らず苦労しました。何故かというと、この絵の特徴はリズミカルな屋根と重厚な外壁、そしてそれを背景にした軽快な木立の枝ぶりです。でも実は水彩画が一番苦手なのが暗いバックに明るい細線を描くこと。つまり画面の左下にあるような城壁を背景にした細い木の枝を描くのはとても難しいのです。
 ではどうしたら良いのでしょう。表側のアルハンブラの描き方を読んだ人はもうお分かりですね。そう、またマスキングインクを使用します。ただし前回は雪の表情を面として捕らえたのでインクを筆で塗りましたが、今回は細い線の表現なので針の先端で塗ってゆきます。
 今回は省略しますが、まずブルーで明暗表現を確認し、材質に合わせた色を薄く置いてゆくプロセスはいつもと同じ。ポイントは城壁の色でしょう。今回は「インディアンイエロー」をベースに赤や緑を混色しています。全体を描き終え、最後にインクを取り去ると真っ白な枝が残ります。シエラネバダ山脈の雪を描いたときはこの真っ白が決め手だったのですが、今回はあくまでシャープな線が欲しいだけ。このままだとちょっと白すぎて画面から浮いてしまうので細筆で丁寧に枝に濃淡を施してやります。
 これで完成。いかがです?美しい建物は表も裏も美しい!

海外スケッチ旅行に出かけよう その6 アルハンブラ宮殿


 アルカサバ、城砦を見た後はいわゆる観光コースに従い、「フェネラルフェ」と呼ばれる14世紀に建てられた王室の別荘ヘ。そこに行くには一旦城外へ出てアルハンブラ宮殿の裏側、谷を挟んだ反対側の太陽の丘へぐるっと迂回することになります。たどりついたフェネラルフェのインテリアデザインはちょっと期待はずれ。でもあの「ナスル宮を見た後」ではどんなデザインも見劣りしてしまうのはやむを得ませんね。
  さて、視線を外に目をやると・・・アルハンブラ宮と丘の下に広がる美しいグラナダの町並みを同時に見渡すことができるます。アルバイシンから見た風景がアルハンブラの正面だとすれば、こちらは裏側。でもいい建物は裏もやっぱり美しい。
 というわけで勇んでスケッチをしたのが今日の絵です。前回アルハンブラ正面からの図がちょっと太目のサインペンだったので今回は細い万年筆タイプのイラストペンを使いました。木の枝の繊細な線を表現するのはこちらのほうが良かったようです。
 スケッチを終えたとき、道行く観光客の一人がスケッチブックを覗き込み、「Beautiful!」といってくれたので、ここまではまあまあの出来なのでしょう。
 お楽しみの色塗りのプロセスはまた次回ご紹介する予定ですが、世の中知らない間にゴールデンウィークに突入。というわけで今度は国内ですがまたスケッチ旅行に行きます。またまたちょっとブログを休むかもしれません。ご容赦を。