2011年4月24日日曜日

チャイナ服を着た婦人

今日のモデルさんが選んだのはチャイナ服。
もちろん表現のポイントはスリムな体の線とその表情です。
ややひねり気味に座る姿はあくまで繊細で緊張感があります。
大きな瞳と、かすかに微笑んだ口元は、ちょっときつそうで、何か言いたげ・・・。

2011年4月16日土曜日

宇治川の桜

宇治川と言ってもここは京都ではありません。神戸市中央区・・・つまり神戸の街中を流れる小さな川です。


この川をウィキペディアで調べても「編集中」とあるだけで本家「宇治川」に比べるとその知名度は及ぶべくもありません。

しかし、この季節はちょっと違います。

ご覧のように、満開の桜が水面を覆い、川は流れに沿ってうすいピンク色に染まります。

いつもは暗い川底の土色もかき消され、本当なら一番明るいはずの空色でさえ、この花びらの輝きに比べると色あせて見えます。

この日の宇治川は自然という舞台で輝く主人公なのです。

2011年4月10日日曜日

四天王寺 その2

四天王寺は大阪の街の真ん中にあるためか、周辺に自然が乏しく、歩いていてとても疲れます。しかも塔と金堂以外のお堂はいずれもぽつんと単独で建ち、スケッチをしようと歩き回りましたが、なかなかこれと言ったシーンに出会いません。

そんな中、やっと見つけた構図がこれ。太子堂です。
建設された時代はやはり新しいらしく、特に重要文化財に指定されてもいません。
ただ、土塀と門、本堂から八角堂に連なる屋根は色も形も素材も変化に富んでいて、十分に魅力的です。
しかし五重塔や金堂が見えないこの光景で何よりも大切なのは「広い空」。
民を愛した聖徳太子の心を映しているように感じます。

2011年4月3日日曜日

四天王寺

昭和20年。
空襲によって大阪の町は灰燼に帰したそうです。
この四天王寺も例外ではありません。
聖徳太子が593年に建立したと言われる由緒正しいお寺ですが、残念ながらほとんどが戦後の再建(鉄筋コンクリート造)です。

それでも法隆寺とよく比較される、中門、塔、金堂、講堂が一直線に並ぶ格式ある伽藍配置は、今なお健在です。
実際に歩いてみると、この並び方は、正面だけでなく、どの方向から見ても塔を中心として変化に富む光景を生み出してくれることがわかります。

この絵は北側回廊の外から見たところ。
空に向かって軽やかに羽を広げるような塔の屋根と、どっしりと天を突き上げるような金堂の屋根が面白い形で重なっています。
いにしえの人達の目にもありがたいお寺の姿として映ったにちがいありません。
ただ着色された素材はやはりコンクリート・・・彼らはこの冷たさに馴染んでくれたでしょうか?