2017年8月23日水曜日

樹間の大屋根



青柳家のすぐ北側に建つのが「石黒家」。青柳家と同様に格式の高い屋敷です。
脇に覗き窓のついた立派な門はその証。さらに目を引くのは大樹の間から見える大屋根。その巨大さは、茅葺屋根ゆえの急勾配によるものと理解はしているものの、いや、ひょっとしたら他の屋敷より目立ちたくてわざと勾配をきつくして棟の高さをあげたのかも・・・などと邪推してしまうほどです。

2017年8月9日水曜日

武家の蔵



城下町の特徴であるマス形(敵の襲来に備え、城までの見通しを悪くするため、道をわざと曲げた交差点)を超えると見えてくるのが「青柳家」。
角館の武家屋敷群の中でも格式が高い家で広大な敷地内に今なお多くの建物が存在し、一部は博物館として公開されています。
母屋はやはり道からは見えず、唯一、蔵だけがその姿を現しています。元々は「文庫蔵」とよばれる重要書類を納める倉庫だったようです。蔵は家の品格を現すシンボルなのでしょう。北国の大雪を載せ、軒を支える頬杖はリズミカルで意匠的。すっきりとした持ち送りのディテール、扉周りのシンプルな装飾など全てのデザインがこの家の品格を伝えてくれます。

2017年8月2日水曜日

武家の庭


  メインストリートをさらに北に行くと岩橋家があります。こちらも道路から見えるのは門と塀だけ。資料によれば知行百石の中級武士の典型的な屋敷だそうです。
  門を通り左手にある前庭の隅に立ち母屋全体を眺めたこの絵。前庭とは言え結構な広さがあります。そして実は画面の右端にある木戸をくぐるとさらに広い本格的な奥庭が広がっています。蔀戸(しとみど)を解放して庭の眺めを積極的に取り込んだ住空間は快適に違いなく、これで「中級」?と羨んでしまうのは狭いバルコニーしか持たぬ都会のマンション住人のひがみでしょうか?