2009年4月26日日曜日

仙厳院と桜島

桜島という魅力的なテーマに創作意欲を刺激され、園内を歩き回って見つけたベストショットがこのシーンです。
モノトーンの瓦屋根。輝く海。そして青白く浮かびあがる桜島。
空を切り取るような大胆な島の輪郭は水平に広がる小さな屋根のリズムを包み込むようです。
まさに薩摩の歴史と自然が見事に調和した造形です。

2009年4月19日日曜日

仙厳院 武家の門

仙厳院に薩摩家の正門が残されています。
鬼瓦にあの十文字の紋章が入っていて、由緒正しき造りであることを教えてくれます。
本来なら門の全体をきちんと描くべきなのですが、どうも桜島が気になってしょうがありません。
何とか両方絵にしたい・・・とあっちこっちを歩き回り、やっと気に入る構図を見つけました。
正門の背後に桜島を置きます。すると屋根の形と桜島の稜線が呼応するように重なります。
その勇壮な姿、何度も噴火した激しさは武家の門の背景として最高です。
かの朝鮮征伐で敵を畏怖させたという「シーマンズ」のルーツはこんなところにあったのでしょうか。

2009年4月12日日曜日

仙厳院 武家の庭

鹿児島市の北端にある旧薩摩藩島津家別邸「仙厳院」に来ました。
邸内のあちこちに庭園があり、敷地の広さを生かした豪快な作りが、見る人の気持ちをおおらかにしてくれます。
NHKの大河ドラマの撮影にも使われたという石段を登ってゆくと高台の庭園に出ます。
ここから海の方を見ると、ご存知の桜島が圧倒的な迫力で目に飛び込んできます。
借景に山を使うのは庭園造りの定石ですが、これほどの存在感があると、完全に主客が逆転してしまいます。美しく手入れされた庭木も、単なる背景としてしか映りません。
でも、これぞ「薩摩の風景」・・・京の庭園には無い豪快さに感激しました。

2009年4月4日土曜日

矢びつ橋


めったに来ることの無い知覧。もったいないので先週に続きもう一枚ご紹介します。
武家屋敷街の入り口にとてもおいしい蕎麦の店があり、そこにあるパンフレットでこの魅力的な橋を知りました。
いかにも古そうないわくありげな、石造りの橋で、しかもめずらしい2連のアーチでできています。
風はまだ冷たく肌寒いのですが、この場所はとても陽当たりが良く、橋の周りの草むらが黄緑色に輝いて実にのどかです。こんなところでスケッチをしていると、本当に日常の忙しさを忘れてしまいます。
しかし、気がつくと帰りのバスの時間が迫ってきていて、あたふたとスケッチ張を閉じ、知覧でもうひとつ有名な「特攻隊」の博物館を駆け足で回りました。
のんびりと楽しむ旅行のはずでしたが、やはり最後は時間に追われる一日となってしまいました。
いつかそのうち、時計の針を気にせず、絵を描きたいものです・・・。