2010年10月31日日曜日

見越しの松

建築学的に言うと近江八幡で一番に見るべきものは、このブログでも何度か登場した「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されている新町通り商家の町並みでしょう。
ただどういうわけか現地の観光案内でもらったガイドマップにはこの新町通りは観光ルートに入っていません。
よく見ると推薦場所には建物の番号があり、どれもレストラン、みやげ物屋ばかり。
スポンサー重視のマップであることがまるわかりで少し残念です。これからここを訪れる方はご注意を。

さてこの町並みで特徴的なのは「見越しの松」。
僕がそれを知ったのは柴田錬三郎「眠狂四郎」で江戸っ子がまくしたてる一文・・・確かおめかけさんを囲った宅としてお江戸の風物詩であったような・・・。
ネットで調べると「見越しの松とは、下枝から二番目の枝を壁の外側にわざわざ出す松を植える様式」とあります。
また、さらに深い意味が込められているようで、「壁に囲まれた屋敷の中では、世の中の動向を見失うことがあります。その事を松に託して、壁の外を歩く人々の動きや流行現象、人々の噂や不平不満など、世の中のさまざまな動向に常に注意をしておくように・・・」という教訓が込められているとか。
なるほど、さすれば僕のおぼろげな記憶もどうやら、それほど間違ってはいなかったようです。