船大工の町 宿根木その5
町を流れる小さな水路。しかし実は「称光川」と言う、江戸時代からこの町に生活用水を提供し続けてきた大切な川でした。地図をよく見るとこの川と町の面白い関係に気付きます。この町の路地は不規則に方向が変わり、一見無秩序に走っているように見えます。たぶんまず家が建ち、余った隙間が路地になったのだろうと思っていましたが、実はそうではありません。生活用水に近づきやすいよう正確に、川と平行に配置されていたのです。町に住むということは、建築もまた町のルールに従って造られるのだという事実を教えてくれています。