2017年12月12日火曜日

台湾 迪化街


僕の大学の専攻が建築史だったこともあって、このブログで取り上げるスケッチはもっぱら日本とヨーロッパの古い建物をテーマとしています。でも最近東アジアの文化にも心惹かれるものを感じるようになりました。台湾「千と千尋の町」のスケッチ(2017/2/19)やチャイナドレスの女性(2017/2/274/16)の水彩画もその一端です。と言う訳で今回からしばらくアジアの風景にお付き合いください。
 まず今日は台湾で一番古いと言われる問屋街である「迪化街(てきかがい)」です。台北駅から地下鉄と徒歩で20分ほどの場所にあります。ご覧のようにちょっと奇妙な古めかしい西洋風の建物が並びます。古いものは清朝末期の、大部分は日清戦争後の日本統治時代の建物で現在28棟ほどの建物が歴史的建築物とし保存対象になっているようです。
 僕が訪れたのは1月中旬。暖かい台湾とは言え、かなりの寒さ。それでも町は買い物客で大賑わい。一階のアーケードから溢れた人が車道にはみ出て大混雑。とても落ち着いて絵を描けるような雰囲気ではありませんでした。それでもせっかく来たのだからと街路灯と違法駐輪(?)自転車の間に身を滑り込ませ、押し寄せる人ごみをかわしてやっとスケッチしたのがこの一枚です。最低限の人物を画面に入れましたが、本当は建物の足元は人と車でほとんど見えなかったほどでした。
でも実はこの日、描けただけでも幸いでした。ちょうど一週間後に訪れた友人は埋め尽くされた群集で、そもそも満足にこの街路に近づくことさえできなかったそうです。そう、あの観光客にとって悪名高き「 旧正月」の直前なのでした。
旅行の前には、その国の風習を改めて予習しておくことをお勧めします。