2018年4月30日月曜日

海外スケッチ旅行にでかけよう ドイツ編 その2 ラインシュタイン城

   スケッチ旅行に欠かせないもの・・・それは雨合羽。単に観光するのなら雨の日は
傘をさせばいい、でも絵を描こうと思えば画帳とペンの両手が自由にならないとだめ・・・だから雨合羽は必需品なのです。
   この日、最初のスケッチを終えた後でまたまた雨が降り出しました。次の目的地ラインシュタイン城まで約2km。タクシーなどこの田舎町で捕まるはずもなし。とにかく雨合羽を着込んで歩き始めました。30分ほどで城の麓(ふもと)にたどり着いたものの、やはり頂に屹立 する姿は雨に邪魔されて描けません。やむを得ず城への山道を上ります。山の中腹、頭上に覆いかぶさる梢の緑が切れたとき、絶妙の構図で城が現れました。雨合羽のおかげで絵を描くのに支障なし、いく分雨脚が鈍ってきたせいか茂る樹木が画帳に落ちる雫の大半を防いでくれています。チャンス!とばかりにまたまた大急ぎで描いたのがこのスケッチです。山の地肌がそのまま立ち上がったような厳めしい古城とそれを包み込む深い森。まるで童話の一シーンを見ているようでした。
 少しだけ幸せな気分に浸ったものの雨には勝てず。結局この日の成果は2枚だけ。はたして充実したスケッチ旅行になるのでしょうか・・・不安をかかえつつ次回へ。

2018年4月15日日曜日

海外スケッチ旅行にでかけよう ドイツ編 その1ライヒェンシュタイン城

  海外スケッチ旅行、ドイツ編です。前回のスペインで多くの教訓を得ました。そのひとつは欲張らずなるべく宿泊地の数を絞ること。スケッチを目的とする者にとってスーツケースを抱えたまま、都市間移動と宿泊を繰り返すことは大きな時間的、精神的ロスになります。もう一つは渡航季節。飛行機代の安さにだけで決めると後悔しますよ。ヨーロッパの3月は寒くてスケッチには不向きなのです。
 そこで今回は原則同じホテルに3連泊してそこを本拠地に移動することに。ホテル到着日と出発日が雑事でつぶれても中2日はスケッチに充てられるからです。そして季節は暑くなる直前の7月初旬にしました。これで今回は安心完璧なスケッチ旅行間違いなし!?
 さて初日。フランクフルト空港に夜到着し、そのままマインツに移動。ここで3連泊します。狙いは世界遺産ライン川沿いの古城スケッチです。普通の観光客ならば当然ラインクルーズでゆったり白ワインをいただきながらお城を眺めるのですが、絵を描くために来た僕にはそんな優雅な時間はありません。列車でまっすぐトレヒティングスハウゼンへ向かい、急ぎ足で丘の上のライヒェンシュタイン城を目指します。
 本当は下の道からまず丘の上にそびえる城の勇姿をスケッチしたかったのですが、この日はあいにくの雨。濡れずに描ける場所が見当たりません。とりあえず城内で雨濡れずに描けるいい構図を探すのですが、やはりそんな都合のいい場所はありません。あせってあちこちうろつくこと2時間。やっと空が明るくなってきた頃、すばやく描いたのがこの一枚。ライン川と城塔のマッチングはさすがに世界遺産。悪天候のせいで空も川もグレーっぽく沈んで見えますが、中世の城には実はふさわしいのかもしれません。

2018年3月25日日曜日

青衣の婦人

 皆さんはフェルメールの「青衣の婦人」という作品をご存知ですか。タイトルの通り衣装のブルーを基調とした画面は落ち着きがあってさすがフェルメールと思わせます。前回描いた「紫色のベレー帽」が僕にとって「すんなりと」仕上がったのもやはり落ち着いた青の色調が腑に落ちたからです。
 さてそこで今回。ご覧のように服の模様は大柄で色は派手でカラフル。青で画面を統一する手はもう使えません。でもこんな大胆な色彩も女性ならではのもの。そう考えると案外面白い絵になるかもと、気分を変えてチャレンジしてみました。
 上図が着色前の下書きですが、ちょっと一工夫してあります。いつもは人体の影までを鉛筆で描いたら、色を濁らせないように服の模様などは白地に直接着彩することにしています。でも今回の服の色をそのまま塗っていくと派手な色対比が目を引きすぎて人物に焦点が行かなくなってしまいそうです。
 そこで仕上がりが落ち着いた画面になるよう、どの色にも鉛筆の濃淡を施しておきます。ブルーの部分は赤よりも濃く、白とグレーの部分も合わせて濃さを調整します。そして服の襞の影も全体を見ながら濃さを調整します。「そんなの当たり前!」と言う方、自分でチャレンジしてみてください。濃淡の諧調が何段階も増えることになるので結構大変なのですから。
 ここまで下書きを終えた後に着彩したのが最初の絵です。かなり派手な赤や青を塗っても大丈夫。下にある鉛筆の線が画面全体をうまくグレー調にまとめてくれました。

2018年3月17日土曜日

紫色のベレー帽



振り返ってみると、このブログで人物画を取り上げるときはいつも苦労話ばかり。
でもたまには、すんなりと仕上がるときがあるのです。どんな時かって?
そう、例えば・・・、
このモデルさんはいつも笑顔が可愛らしい。
服装は余計な飾りが無くシンプルで趣味がいい。
うすい青緑のトーンでまとめたカーティガンとスカートの色調は清潔感があってよく似合う。
胸元の襟とベレー帽だけ紫色。にくい配色。
僕の感性にぴったり。
あとはそれに合う背景を考えるだけ。
ちょっと赤みがかったブルーの壁紙。左側からやわらかい光が差し込んでいるように。
・・・というわけで完成。
いつもこんな風に悩まずに仕上がるといいのだけど。