2008年2月24日日曜日

京都文化博物館(旧日銀京都支店)

この建物は明治時代の有名な建築で、重要文化財に指定されています。外観を描きたかったのですが、京都の冬の寒さに、スケッチブックを広げる気にならず、早々に建物の中へ避難しました。


内部も見事です。天井も柱も扉も手摺も、今の僕らでは考えられないほど、凝ったディテールです。高窓から差し込む光がそんな細部に影を落とし、当時の日銀らしい重厚な雰囲気を醸し出しています。


ここなら寒くないと思いスケッチし始めました。
セピア色のグラデーションが似合う落ち着いた空間でした。

2008年2月17日日曜日

冬の琵琶湖


地球温暖化の影響で暖かくなっているとはいえ、冬の寒さは日曜画家にとって天敵です。
考えても見てください。かじかむ手でペンや筆を走らせるのは精神修行以外の何物でもありません。
従ってここしばらく、このブログも季節の話題を避けてきました。
しかし、今日は敢て「冬」に挑戦です。

所は琵琶湖。10年前、この土地で同じ仕事をした仲間が集まる会があり、その記念になんとか一枚描こうと頑張って湖面をにらみ続けました。手が寒さで震えているので、線の鈍さは勘弁してください。
琵琶湖の空はどんよりと曇っていて、水がいかにも冷たそうです。
そんな光景の中で一番輝いていたのは背後の山並み。頂上付近には雪が積もっていて、白があざやかでした。

2008年2月10日日曜日

松江城その2


松江城の横をすり抜けて細い通路を抜けると、天守閣の裏手に出ます。


当時はきっとこのあたりにも、建物が建っていたに違いありません。
しかし今は雑草が生い茂り、石垣も雑木林に隠れ、人気(ひとけ)がなく、ひっそりとしています。
うっかりすると、うらぶれた山村にいるような錯覚を覚えますが、木々の間からのぞくがっしりした天守の屋根が城下の一角であったことを教えてくれます。


松江城の正面が「武士の夢」なら、この裏手の風景は「夢のあと」と言えるのかもしれません。

2008年2月3日日曜日

松江城


松江城は江戸時代初期、初代藩主堀尾吉晴によって建てられました。
僕はけっこう歴史マニアですが、彼の名はほとんど印象にありません。秀吉の部下として時々登場しますが、それほど豪傑ではなく、小説の主人公にはならない、ぱっとしない人だったようです。
しかし、関が原の戦で家康についたのが、人生の転機でそれ以後、出世を遂げました。
そしてこの城の完成間近、68歳で亡くなったそうです。
天守閣は当時の姿のまま残っており、重要文化財に指定されています。
実は、当初「観光名所」として有名すぎることもあって、スケッチの題材としてはあまり期待していませんでした。
しかし実際に見ると、ご覧のように堂々として、美しく、しかも山の頂上に建っているので、城下が一望でき、なかなか感動的です。
いつの間にか、惹きこまれてスケッチを始めていました。この城には当時の武将達の憧れ「城持ち大名」の夢が現れている気がしてなりません。