2010年1月3日日曜日

京都府庁旧館

聖アグネス教会から少し西に行ったところに京都府庁があります。
そのうち旧館は明治37年竣工で、県庁、府庁の類で現役使用されている建物としては日本最古のものだそうです。(設計者は地元京都出身の松室重光で、やはり辰野金吾の弟子です)

ご覧のとおり、威厳に満ちた建物ですが、以前に取り上げた兵庫県公館とイメージが似ていますね。
調べてみると、京都府庁は「ネオルネサンス」、兵庫県公館は「ネオバロック」と記されています。
起源は当然ヨーロッパにあり、前者が絶対王政が終わった19世紀前半、後者が列強同士の争いが激しくなった19世紀後半に発展した様式です。
細かな様式の区分はさておき、明治の各政庁が「幕府」という権力から独立した事実に対して、「人間性」を謳って「ルネサンス風」に、「権威と威厳」を謳って「バロック風」に政庁様式を民衆に「誇示」する必要があったのでしょう。
これは、ヨーロッパの近代建築史100年を明治末からのわずか20年で経験してしまったことになります。

今、明治末期の男達の情熱を描いたTVドラマ「坂の上の雲」が話題です。当時の建物にもその熱情が乗り移っている気がしてなりません。

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