寒い日が続き、なかなかスケッチに出られません。
この日は一月最後の休日。今の季節にしては陽射しが強く、風さえ我慢すれば何とか描けそう・・・と大阪まで出かけました。
この芝川ビルは御堂筋の一本東側、淀屋橋近くにあります。昭和初期の建物で、かなり痛みが激しいのですが、未だに事務所と商業施設として現役で使われています。
外観は何様式というのかさっぱりわかりません。スパニッシュ瓦あり、インカ風の飾りありと、とにかく風変わりで、ディテールは濃密です。
一体誰が設計したのだろうと調べてみると、「渋谷五郎」と「本間乙彦」とあります。
後者は不勉強でよく知りません。が、前者は僕が最も感銘を受けた本の一冊である大著「日本建築」の作者です。・・・これが彼の作品とは・・・意外でした。
というのは、その前文に確か「最近の(大正から昭和初期にかけてという意味ですが)建築界の風潮はけしからん。洋風のデザインを追い、日本人の精神を忘れている!」などという勇ましい(?)嘆きがあったと記憶してたからです。
その本人ががまさかこんな、思いっきり「洋風の」ビルを作っているとは・・・・・。
またひとつ面白い建築異聞を発見してしまいました。
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