2010年4月25日日曜日

南禅寺三門

南禅寺の三門は藤堂高虎の寄進により建てられた、格式ある二重門として有名です。
しかし残念ながら参道の正面から見ると両側の木々に遮られて全体を見ることはできません。
門の足元に歩み寄り、初めてその勇壮さを仰ぎ見るという仕掛けです。
さらに、その高さを実感したい人は(有料ですが)門の2階に登るとよいでしょう。
地上からは邪魔だった松林の間から見えるはるかな都の姿は絶景だとか・・・。

このスケッチは脇の参道に回り、端の水路ぎりぎりまで寄ってなんとか全体を納めたものです。
超広角の、描きにくいアングルを強いられましたが、門の全貌をつかむにはこれで十分です。
なんと言っても無料ですから・・・・。

2010年4月17日土曜日

神戸税関

港町神戸の歴史は、徳川幕府最後の年(1868年)、兵庫開港と同時に始まると言って過言ではありません。
海岸通り東端の交差点から海側を臨むと、このシーンが現れます。
手前が神戸税関、その向こうに見えるのが旧神戸市立生糸検査所です。
現代的なビルに囲まれて、ぽつんと生き残る近代建築が多い中、これら2棟が並ぶ、異国情緒たっぷりの眺めは一見の価値があります。

せっかくなので調べたデータを載せておきます。
竣工は両者とも昭和2年。税関は今でも現役使用中で設計は大蔵省です。
そう聞くと、かっこいいと思った外観もいかにも「偉そうな姿」に見えてしまうから不思議です。
旧生糸検査所の設計は神戸市。こちらは昭和2年とは思えないモダンな姿をしています。
最近、取り壊しが前提で入札にかけられたそうですが神戸市が買取り、保存されることが決まったとか。今後の使われ方が楽しみです。

2010年4月10日土曜日

チャタードビル

神戸の「海岸通り」は近代建築の宝庫です。
「チャータードビル」は「海岸ビル」から少し東へ歩いたところにあります。
昭和13年竣工で、イオニア式の列柱と左右対称の構成から想像できるとおり、元は銀行として建てられました。
設計者はJ.H.モーガンというアメリカ人建築家です。大正9年に来日し、昭和12年63歳で亡くなるまで日本で仕事をしていたようです。

現在は銀行としての使命を終え、レストランとブティックとして再生していますが、ただ単に「生き残っている」わけではありません。
近代建築独特の高い天井を生かした独特の内装が人気を呼んでおり、海岸通りのビル群のなかでも観光客の認知度は抜群です。
「海岸通り」は知恵と工夫の宝庫でもあるようです。

2010年4月4日日曜日

海岸ビル

先週に引き続き神戸の街を歩きます。
中華街の長安門を南へ、海岸通りに出たら東へ5分ほどの距離にこの「海岸ビル」があります。
設計者は以前このブログでも取り上げた「海岸ビルヂング」と同じ河合浩蔵です。
いわゆる「ギリシャ」や「ゴシック」様式の真似ではなく、作者のオリジナルな、センスの良い装飾が僕は気に入っています。

若干の肌寒さを感じつつ、さっそくスケッチを開始。
でも予想以上に多い装飾と繊細なプロポーションに気をとられ、大苦戦・・・。
それでも何とか描き上げ、気がつくと2時間半が経過していました。

さて、完成した絵をご覧ください。
建物の上になにやら黒い影が・・・。
そう、実はこのビルの上には高層オフィスビルが乗っています。つまり昔のビルの正面デザインを残して建て替えられたのです。

この方法が良かったのか、悪かったのかわかりません。
ただこの寒い中、僕のように2時間半もこの建物をじっと見つめる人がいたという事実は、まだまだこのビルが魅力的だという証(あかし)にちがいありません。