2007年8月25日土曜日

石山寺その1

2007.8.14

暑い最中、琵琶湖のほとりの石山寺に行ってきました。緑に囲まれたお寺なら、少しは涼しいかと期待して境内を散策していると、突然のにわか雨。あわてて、軒下に駆け込み、雨宿りをしていてこの光景を見つけました。


苔に覆われた巨大な岩と赤い鳥居。さすがに1000年の歴史を誇るお寺には、あちこちに無言の趣があります。雨が止んで涼しい風が吹くかと思いきや、温度は下がらず、湿気が充満・・・・まるでサウナ風呂にいるようでした。


「日本の夏」を描くことは、精神修行にもなるようです。

2007年8月18日土曜日

酒蔵

暑い夏が続いています。
実は(特に社会人になってからというもの)真夏の絵はほとんど描いていないことに気がつきました。
当然です。暑いときはクーラーの元でゆっくり・・・。
でも、「美緑空間」と言うからには、真夏の空間もチャレンジすべきだと思い、今年のお盆休みは出来る限り絵を描きに出かけました。今回から4回ほどその成果を公表したいと思います。



まず、1回目は以前述べた、私のお気に入りの散歩コース、石屋川公園の河口にある酒蔵です。 ご存知のように、神戸は「灘の生一本」で有名ですが、実は震災でほとんど主要な酒造工場は壊れ、今では昔の面影はありません。この酒蔵は生き残った貴重な文化財です。

灼熱の太陽の下で絵を描きながら思ったことが2つあります。

ひとつは、乾いた川の面白さ。石屋川の水は枯れ、雑草が生い茂っています。本来なら涼しげな水辺の風景のはずなのですが、川底の乾いた砂に酒蔵が落とす影は、今まで知らなかった真夏の厳しい一面を教えてくれています。

もうひとつは、懐かしい風景を描くことの難しさでしょうか。
この絵の奥にある高速道路の姿に気がついたと思います。これがなければ、昭和30年代の絵と同じかもしれません。でも昔の姿を描くことは現実にはほとんど不可能で、周りは新しい分譲住宅や工場で埋め尽くされ、この絵はほとんど限られたワンカットなのです。

街の美しさを守り、創る・・・・。その難しさを見たような気がします。

2007年8月11日土曜日

真鶴(まなづる)

1987年真鶴(まなづる)でのスケッチです。

この頃、僕は鎌倉に住んでいました。
仕事で歩き回る時に見る東京や横浜の海はお世辞にも、美しいとは言えません。

でも、さすがに真鶴まで来ると海の色は青く、のんびりとした浜辺の風景に変わります。

旅館で食べた刺身の味も格別でした。

2007年8月4日土曜日

若き日の自画像

先日、NHKの日曜美術館でデューラーを取り上げていました。彼は史上初めて「自画像」を描いた画家だそうです。はるか昔は、画家が許されるのはイエスや天使など宗教上の登場人物だけで、自画像を描くことは、神をも恐れぬ大胆な行いだったのです。


そういうわけで(?)、今日は僕の若き日の自画像です。いつ描いたかわかりませんが、多分20代後半でしょう。珍しくパステルで描いています。
もちろん、デューラーのような挑戦的な意思があったわけではなく、人物画の好きな僕にとって一番手軽なモデルは自分だったというだけのことです。


そんな僕も、最近はさっぱり、自画像を描かなくなりました。老いた自分を何となく認めがたい気分があるからだと思います。
歳をとるということは・・・・・それなりに複雑です。