2007年9月30日日曜日

京都 東本願寺勅使門(ちょくしもん)

















実は今まで、一度も京都のスケッチをしたことがありません。

観光客が多くて騒がしいのと、「国指定重要文化財・・・・」という肩書の響きに反発を感じる心が僕の中にあったからです。

とは言うものの、日本文化の凝縮された姿を観るのはやはり京都が一番と、最近やっと思い始めました。
[遅い!」としかられそうですが、とにかく、僕にとって記念すべき京都スケッチ第一号がこの東本願寺勅使門です。

古く見えますが、実は明治時代の設計で、各所に彫られた彫刻もすべて設計者のデザインだとか・・・。そのディテールに対するこだわりは、尊敬に値します。そして細かな様式論は別として、現代の僕達の目からみてもプロポーションがかっこいいと思いませんか?

これから、暇を見て京都をスケッチしようと思っています。
自分の目で日本の文化のすばらしさを確かめるために。

2007年9月23日日曜日

長崎グラバー邸

1984.4.22
日付を見ると、社会人になって3年目、もうずいぶん前になります。確か生まれて始めての九州でした。

ここは有名な長崎グラバー邸。ミステリーの好きな方なら、内田康夫の「長崎殺人事件」の舞台となっていることもご存知でしょう。

古い建物が好きな僕ですが、瓦屋根とアーチ、多角形の平面形状、木と石の使い方など、和洋折衷で長崎らしい趣が特に、印象に残っています。
本当は幕末当時の生活をじっくりと想像しながら、この家の良さを描きたかったはずなのですが、彩色する時間は無かったようで、手元に残っているのは、サインペンの線描きのスケッチだけです。

え?色がついているって?そう、このブログに載せるため、実は昔の絵にパソコンで色付けをしました。アナログの思い出をデジタル化すること・・・・結構気に入っています。
というのは、描いているうちに、当時一緒に行った人々の顔やあわただしかったスケジュールのことなどがだんだんはっきりしてくるのです。
蘇るのは絵だけではありません。

2007年9月15日土曜日

ホテルのオーナー


アーサー・ヘイリー 原作の「ホテル」を読みました。アメリカ人にとってホテルのオーナーになることは男のロマンそのものなのですね。

1994.10.29。この絵は広島のKikkawa Hotel Flexの一室です。無理を言ってオーナーにヒアリングをお願いしました。

当時ホテルの設計をしていた僕としては、このホテルはとても興味を引かれました。というのは、外観の奇抜さもさることながら、客室のつくりが少し変わっていたからです。

部屋は狭く、観光客には物足りません。デスクは狭く仕事で使うには物足りません。しかも部屋の中に柱型がはみ出していて、レイアウトに制限があります。

でもオーナーは自信たっぷりに話してくれました。
「高級好みの人はリーガロイヤルに行けばよい。私のホテルは雰囲気がよく、趣味の良い、しゃれて、家族的な、こだわりのホテルを目指しているんですよ。
芸術家も喜んで泊まれる、そんなホテルにしたいんです」

確かに客室の床はフローリング・・・住宅の感覚を大切にするためでしょう。テーブルは円形で楽しく、色使いもセンスがよくとても落ち着きます。もちろんこの規模のホテルにしてはレストランは立派で、調度品も凝っていました。

オーナーの言葉を証明するように、レストランでは僕のヒアリングの間中、地元の音楽家によるコンサートが行われていました。
アルベニス作曲 スペイン組曲「伝説」という曲だそうです。当時の僕のスケッチブックのメモに「すばらしい・・・」とコメントがあります。
「オーナー魂」に感銘を受けた一夜でした。

2007年9月8日土曜日

琵琶湖一望

2007.8.17
伊吹山に登りました。

真夏の太陽が湖面に照り注いでいます。乱反射した光は空も湖も街や田畑も包み込み、輝くばかりの、幻想的な風景は、スタジオジブリに出てくる、おとぎの国のようです。

帰り道、木陰の中をを歩いて行くと、聞きなれた蝉ではなく、虫の音が聞こえました。
暑かった夏もやっと終わりを迎えるようです。

2007年9月1日土曜日

石山寺その2

雨が止みました。
境内をまっすぐ登ってゆくと、木陰の間から桧皮葺の落ち着いた、建物が現れます。有名な多宝塔です。
通路の方向といい、建物の見える角度といい、庭の中で完全に作られた構図なのですが、その作為を感じさせません。雨上がりの湿った空気の中でみる姿は、とてもきれいでした。
これぞ日本の美!言葉はいりません。