2007年9月15日土曜日

ホテルのオーナー


アーサー・ヘイリー 原作の「ホテル」を読みました。アメリカ人にとってホテルのオーナーになることは男のロマンそのものなのですね。

1994.10.29。この絵は広島のKikkawa Hotel Flexの一室です。無理を言ってオーナーにヒアリングをお願いしました。

当時ホテルの設計をしていた僕としては、このホテルはとても興味を引かれました。というのは、外観の奇抜さもさることながら、客室のつくりが少し変わっていたからです。

部屋は狭く、観光客には物足りません。デスクは狭く仕事で使うには物足りません。しかも部屋の中に柱型がはみ出していて、レイアウトに制限があります。

でもオーナーは自信たっぷりに話してくれました。
「高級好みの人はリーガロイヤルに行けばよい。私のホテルは雰囲気がよく、趣味の良い、しゃれて、家族的な、こだわりのホテルを目指しているんですよ。
芸術家も喜んで泊まれる、そんなホテルにしたいんです」

確かに客室の床はフローリング・・・住宅の感覚を大切にするためでしょう。テーブルは円形で楽しく、色使いもセンスがよくとても落ち着きます。もちろんこの規模のホテルにしてはレストランは立派で、調度品も凝っていました。

オーナーの言葉を証明するように、レストランでは僕のヒアリングの間中、地元の音楽家によるコンサートが行われていました。
アルベニス作曲 スペイン組曲「伝説」という曲だそうです。当時の僕のスケッチブックのメモに「すばらしい・・・」とコメントがあります。
「オーナー魂」に感銘を受けた一夜でした。

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