実は明治時代、日本人による西洋建築を作るべく、東大建築学科を卒業した記念すべき1回生は4人いました。
一人があの辰野金吾、そしてもう一人がこの京都国立博物館の設計者である片山東熊(先生)です。
彼の設計した建物にはいわゆる「国立○○○館」という昔の「宮廷」風の建物が多く、高価な材料を「華麗」にデザインする、その存在はうらやましさもあってはつい「先生」と呼んでしまいたくなります。
このスケッチも博物館の単なる「門」なのですが、彼の手にかかれば、石と煉瓦、銅版と鉄を優雅な形と端正なプロポーションでまとめ、ご覧のとおりの芸術品となります。
門だけでも絵になるという事実・・・「先生」のわざと情熱を改めて思い知らされた日でした。