実は先日、前回描いた同じ場所を訪れてみました。10年前の続きをしようというわけです。
どうなっていたと思いますか?
今では、もう水平線に浮かぶ六甲アイランドは見えません。今度は「湾岸道路」なるものが河口のすぐ外側にその威容を誇っています。
さすがにこの「新しい時代の風景」をスケッチする気にもならず、憤りを胸に、あきらめて川沿いを北へ歩き始めました。
しばらくすると正面に「住吉」の名ににふさわしいリッチなマンションが・・・・。「オーキッドコート」という外人建築家の設計した建物です。いわゆるバブルの頃の建物で「お金をかければいい建物はできる」・・・・などと影口をたたく輩(やから)もいないのではないのですが、自分でスケッチしてみると、そんな誤解は吹っ飛んでしまいます。
背景に六甲山の山並み。水辺に茂る水草と堤の両脇の木々。石畳はこの建物への道標(みちしるべ)です。
そしてクラシカルな材料ときれいなプロポーションでデザインされたこの洋館はまるでこの角度で眺められることを予測していたかのように、風景に溶け込んでいます。
「風景」つくりの難しさと楽しさを実感した一日でした。
0 件のコメント:
コメントを投稿