2009年6月28日日曜日

三井寺

滋賀県大津市の三井寺に来ました。ここに来るのは2回目です。
以前は不勉強のせいで山の上から琵琶湖を眺めただけ。
この日は事前に予習をし、書院造りの代表である光浄院客殿と勧学院客殿を見るつもりでした。・・・しかし訪れてみると、一般公開はしていないとのこと・・・がっかりです。
徒労感にめげず、次に目指したのがこの金堂です。
パンフレットによれば、桃山時代を代表するを名建築とのこと。さっそくスケッチしました。
ふつう、茅葺の屋根は急勾配でずんぐりしたプロポーションのものが多いのですが、これはシャープに軽やかに反り返っていて、ある意味現代的で面白いバランスをしています。
周りの観光客も僕と同じ事を感じたに違いありません。下から見上げたり、横から撮ってみたり、いわゆる「記念撮影」でなく、向けるカメラに屋根を意識した工夫がありそうです。

最近読んだ、五木寛之著「百寺巡礼」の中に「昨今のお寺人気は現代建築のデザインが物足りないからである」という一節がありましたが、まさにその通り。
「かっこいい!」と思うものは時代を超えて受け継がれてゆく気がします。

2009年6月21日日曜日

みなと元町駅

この建物は旧第一銀行神戸支店。
明治41年竣工で設計者はこのブログに度々登場する「辰野金吾」です。
阪神大震災で壊れてしまったのですが、移築され地下鉄の駅として再利用されています。

実は、この建物を実際に見るのは今日が初めて。
地下鉄を降り、いつあの重厚なディテールが現れるのかと期待して階段を昇りました。
でも地上にあったのは、華麗な装飾ではなく、コンクリートがむき出しの壁とそのパネルをつなぐ金具だけ。

そう、この建物は内部がなく、外観だけの看板建築になってしまっていたのです。
いかに保存のためとは言え、生皮を剥いで見せるような、不快感・・・憤りを感じつつも、この日の暑さをものともせず、結局、連続する窓のアーチを最後まで描き終えました。
たぶん、「それでも壊れて無くなるよりはいい」と思い込んだ・・・かもしれません。

2009年6月14日日曜日

保津川

大河内山荘の北側に美しい川が流れています。
これが有名な保津川で、山裾からちょうど、清流下りの船がやってきました。
山の中腹には形の良いお堂の屋根があり、渓流の崖の上にはこれまた有名なトロッコ列車の線路が走っています。

自然と人工物の見事なマッチング!・・・こちらも間違いなく、世界遺産級です。

2009年6月7日日曜日

大河内山荘

京都嵐山にやってきました。 目的は世界遺産「天龍寺庭園」です。
いかし残念ながらこの日のスケッチはボツ・・・と言うのは眺める場所とコースが指定されているためか、何となく見るものすべてが作られすぎている気がして、これぞという面白い構図が発見できなかったからです。
「きれいすぎると絵にならない」・・・誰かが言ったこの言葉、真実です。
そこで、今度は和風現代建築である「大河内山荘」へ。ガイドブックによれば「無声映画時代の名優・大河内伝次郎が私財を投じて作った山荘」だとか。
こちらの庭園は、個人の普請道楽。堅苦しい形式に縛られること無く、好きなことをやっています。
この「大乗閣」も屋根のデザインが独特で面白く、しかも背景は新緑の嵐山という贅沢さ・・・今度は迷うことなくスケッチ張を開き、描き始めました。

ちなみにここの入場料は1,000円。
少し高い気もしますが、絵を描いた後の抹茶のおいしさも含まれていると考えれば、お得かも・・・。