2009年8月30日日曜日

旧鹿児島県庁本館


3月に鹿児島に旅行した時、桜島ばかりを描いていたわけではありません。
当然、有名な建物をいくつか図書館で事前に調べ、勇んでスケッチをしています。そのうちのひとつがこの「鹿児島県庁本館」。

しかし現地に着くと、どうも手元資料と外観イメージが違います。なにより県庁というのは、機能上、もっと大きいはず・・・そう、実は元の建物は1996年に解体され、玄関部分のみここに移築されたのです。従って現在は「旧」鹿児島県庁本館と呼ばれています。

大正14年の竣工で設計者はすでに何度も登場した會禰達蔵。鹿児島まで仕事の手を広げているのを見ると当時の彼の影響力の大きさが伺われます。

大部分が解体されてしまったとは言え、今に残るこの「旧」庁舎を見る限り、濃密なデザインと白一色の存在感は、周りの現代的な建物に比べ、群を抜いています。玄関だけでなく、もっと本格的に保存して欲しかったと思うのは私だけではないでしょう・・・・残念でなりません。

2009年8月23日日曜日

神戸の夏


まだまだ暑い夏。早朝の神戸を散歩しました。
今日はいつもの石屋川でなく、ずっと西の都賀川沿いを海辺へ向かいます。
このあたりは、湾岸の高速道路が上空を横切り、お世辞にも風光明媚な場所とは言えません。それでも潮の香りに誘われて海辺へ出ると、意外な光景が現れました。

神戸製鋼の原料を運んできたタンカーでしょうか?巨大な鉄の塊が岸壁に浮かんでいます。船に取り付くコンベアやクレーンが縦横無尽に空中を走り回り、朝日が輝く空を豪快に切り取っています。面白い!と散歩を中断し、早速スケッチ開始。

昨年ならきっと暑さを理由にパスしたところですが、今日はまったく苦にならず・・・。
そう、上海で経験した40度は伊達じゃない!。

2009年8月16日日曜日

上海その3


残りはあと20分!
あせる気持ちを押さえ「 せっかく上海に来たのだから、中国の古い建物を・・・」と、ここ「上海古代民族娯楽村」にきました。幸か不幸か、工事中で中には入れず題材を悩む余裕はまったく無く、残り時間であわただしく門だけスケッチしました。(色付けは帰ってきてからのCGです)

特徴はその屋根。
以前「大陸風の屋根は反りがきつく、和風の屋根は優しい」と大雑把なコメントをしましたが、本家大陸風の屋根を見てびっくり。これでもかと言わんばかりに空に向けて反り返っています。「反り返る」のが威厳の象徴なのでしょうか?人間と同じですね。
そう言えば、中国4000年の歴史とは「威厳」を守ることだったのかも・・・一人納得して帰国の途につきました。

2009年8月9日日曜日

上海その2

帰りの飛行機の時間が迫るなか、あわただしく早朝の上海を歩きました。
目指すは、ビジネス街の裏側、昔ながらの路地と町並みです。

思ったとおり、上海らしい光景にぶつかりました。たぶんこれから仕事に出かけるのでしょう。若者達が中華饅頭のモーニングセットを立ったまま食べています。一方で早くも30度になろうという路上の木陰では、ランニングシャツ一枚で、おじさんたちがテーブルを囲んで陽気におしゃべりを始めました。

街はけっしてきれいとは言いがたく、はでな看板、ひしめく小さな店、喧騒などなど・・・・。
そしてそんな路地を照らすのは輝く太陽と広い空・・・この対比がこの街をさらに魅力的にしています。

2009年8月2日日曜日

上海

生まれて始めての中国、上海。
こんな街があるなんて・・・そう、文化大激震(?)つまり「カルチャーショック」なるものを始めて体験しました。
広い大地、どこまでも続くビル街、高密度な街、エネルギッシュな人、人、人・・・・。
国の意思、世界の資本、あふれる人の熱気、この3つが集中投下されると、こんなにも効率的に街が生産されてゆくのだということを思い知りました。

この絵はホテルの窓から眺めた、早朝の上海。河でも路地でも人々はもう動き出しています。灼熱の太陽が川に反射し、霞んだ空気をじりじりとあぶり始めました。
この日の気温は40℃。・・・・上海の夏は熱い。