2010年5月9日日曜日

尼崎の寺町

戦時中の空襲のため、阪神間の古い寺院はすべて焼け落ち、残っていないと思っていました。
ところが、阪神電車 尼崎駅のすぐ近くに、「寺町」と呼ばれる、古いお寺が昔のまま残っている一角があったのです。
こんな良い画題を知らなかったとは実に不覚・・・。
路地を挟んで、いくつものお寺がたたずむ姿は京都のようです。
もちろん規模では勝てませんが、その分観光客もほとんどおらず、静かに町の雰囲気を楽しむことができます。

この「善通寺」はまずその屋根のデザイン(しころ葺きと呼びます)の奇抜さが眼を惹きます。
そして何より風変わりなのは塀がレンガ積みであることです。
通常、お寺の塀は土壁、漆喰壁、板壁など和風の素材で作られ、時間を経ると「朽ちた」イメージが背景の建物とよく似合うようになります。
でも、こうしてみるとレンガもなかなかのもの・・・十分に「風化した」煉瓦の肌合いは、やはりこの町の歴史を語っているようです。