ウィキペディアによれば、明治末期から昭和初期にかけて「阪神間モダニズム」という活発な芸術運動があったそうです。その主要な舞台である神戸市灘区では当時の資産を「灘百選」という冊子にまとめているほどです。
実は先週スケッチをした「六甲山ホテル」とこの「多聞ビル」はいずれもこの運動の重要な遺産で、設計者は同じ古塚正治氏です。
この「多聞ビル」は阪神電車西宮駅から歩いて10分ほど、国道43号線に面して建っています。
白く美しい建物ですが、描いた足元の緑色が気になります。
実はこれ、きちんとした植栽ではなく、舗装の間から伸びたぺんぺん草・・・つまり何年も手入れがされていないという証です。
そう言えばどの窓もシャッターが降ろされて中は見えません。
たまたまこの日が休みなのかとグーグルアースでこの建物を観察しましたが、やはりシャッターは閉じられたまま・・・どうやら現在は空き家のようです。
えっ、このスケッチの窓には灯(あかり)があるって?
すみません。これはこのビルが蘇るに違いないという僕の希望的観測とメッセージを織り込んだ「偽りのスケッチ」なのです。
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