僕のブログを読んでくださっている皆さんへ。今週日曜日にアップできなかったのは色塗りにちょっと苦戦したから。でもとにかく完成です。どうぞじっくりご覧ください。
絵画の構成要素とは基本的には形(構図)と色。そのうち形、構図については実は今回はそれほど苦労していません。何故なら観光用のガイドブックにあるのとそれほど変わらないからです。でも3月というこの季節。僕はアルハンブラに新たな色の魅力を発見しました。1つは森の色。落葉樹は薄い紫色の枝を伸ばし、新芽の緑と混ざって不思議な雲海のような表情を見せています。そしてもう1つは背景の雪山の色。その輝く白は空よりも明るく、重厚な宮殿の外壁と見事な対比を見せてくれるのです。
この2つの色彩を表現すべく、混ぜる絵具の色、水の分量とぼかし方、マスキングインクの使い方など僕なりにかなり思案し、試行錯誤しました。結果的に予定時間を大幅にオーバー、日曜日のブログにアップできなかったというわけです。
もっともそのせいか今までの僕の絵とちょっと違った色調となり、新たな可能性を見出した気がしています。いかがでしょうか?
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A図 |
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B図 |
さて前回お約束したように、マスキングインクの効用についてはもう少し説明しておきます。A図がマスキングインクがのった状態、B図がマスキングインクを取り去り、雪山に薄く陰を描き足したところです。B図の白い部分は一切何の色も塗っていない紙のままの白。雲の白よりもさらに白いことがわかるでしょうか。
マスキングインクを使わないと、画面に何度も色を塗っているうちについうすい色をのせてしまい、ここまでの明度差は確保できないのです。雪山の絵にチャレンジしてやろうと思っている方、是非参考にしてください。
ちなみにこの絵のサイズは風景画としては久しぶりに6号でかなり大きめ。本当はみなさんにすぐにでも原画を見てもらいたいのですが、正式なお披露目は次回の個展開催で。どうかしばらくお待ちください。