2016年10月30日日曜日

海外スケッチ旅行に出かけよう その13  城砦都市トレド


エルグレコの絵にもあるように、トレドは町の三方をタホ川で囲まれた城塞都市。
だからトレドらしいスケッチはエルグレコの絵と同じ構図を描けばいい・・・と安易に考えたのが大きな間違い。
 実はあの場所へ行くには山道を延々と1時間歩かねばなりません。しかも廻りはひとけも無く、まったく隠れるところの無い丘の上。度々雨に見舞われるこの日の天候では絵の完成はとても無理と早々と退散。
 その代わりに見つけた構図がここ、アルカンタラ橋の対岸から見た風景です。左手に見えるのが有名なアルカサル。城塞都市トレドらしいたたずまいを見せてくれます。
 でも何よりもこの日のトレドを物語るのはブルーとグレーの入り混じった陰鬱な空。動きの早いグレーの雲は知らぬ間に大粒の雨を降らせ、何度も僕を橋塔へ避難させます。でも苦労すればするほど絵に対する愛着は強いもの。少しずつ、少しずつ手を入れて、この絵を仕上げるのに結局7ヶ月を要してしまいました。
 というわけで、スペインスケッチ旅行のブログは終了です。トラブルが多くて、スケッチの成果にはやや不満が残ります。次回のスケッチ旅行はもっと多くの、いい絵を描きたいと思っています。