2016年11月5日土曜日

人物画を優しく描こう


今日のポイントは「優しく」描く人物画。
 というのは昨年開いた個展以来、皆さんから聞いた感想をまとめると、僕の人物画はどうも「怖い…」らしい。 実は最近のブログのアクセス数も人物画の時は少なめ。そこで今日から人物画を「優しく描く」ことに挑戦してみたいと思います。
 優しい人物画の代表は何と言ってもルノワールでしょう。中学生の頃「イレーヌ・カーン・ダンヴェルス」の少女像に憧れを抱いたものです。逆の代表はレンブラントでしょうか。光と陰を大胆に操る手法は「怖さ」の裏返しでもあります。
  両者の違いを大胆にも比較し、類推して、整理すると「優しい」人物画の特徴は以下のようになります。
・穏やかな表情のモデル。
・肌は白く、明暗は控えめに。
・バックは濃すぎない。
・筆のタッチは繊細にかつ、やや ぼかし気味に。
・全体の色調は明るめに。
そこで今日の絵「麦わら帽子を手にする婦人」です。
まず目もと。まつ毛の明暗と瞳の濃さのバランスに気を使って丹念に描き込みます。唇の両端を下げるときつい表情になるので、やや上げ気味に。
肌色は黄色を控えやや赤色の配分を多くし、全体として肌を白く見せています。暗い部分に鉛筆をのせすぎないように、ブルーを混ぜた肌色を薄くかぶせるようにします。
バックは濃いめの青を水をたっぷり含ませて薄く塗ります。いつもは肌色を引き立てる褐色系の色をバックに入れるのですが、今回は敢えて使っていません。
ピンクとブルーの服の光沢や皺を細い鉛筆と透明水彩を何度も重ねることにより丁寧に表現します。輪郭を強調しすぎないように鉛筆の強弱に注意を払います。
画面の一番濃い部分は髪の毛。その部分でさらに明暗をつけて髪の流れを表現します。髪の毛と明度差を際立たせて、全体は淡い色調に抑えます。
いかがです?。優しい人物画となったでしょうか?
えっ、まだダメ?
そういう方、是非ご意見をお寄せください。待ってます。

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