2007年11月下旬、秋の東福寺を訪れました。
本当は有名な紅葉が目当てだったのですが、誰もが同じことを考えるようです。
電車を降りてから、本来なら歩いて10分で正門に着く距離なのに、なんと一時間もかかってしまいました。
境内の通天橋から見る紅葉はさすがに素晴しく、息を呑む美しさだったのですが、それを絵に描くことは地下鉄のラッシュアワーの中で一人座ってスケッチブックを広げるようなものです。さすがにそこまでの度胸は無く、比較的静かな「方丈庭園(南庭)」をスケッチすることにしました。
歴史ある東福寺にふさわしい、静かで、精神性を感じさせるこの庭は、実は「現代」の作品で、資料によれば、昭和のアーチスト重森三玲氏の代表作とのこと。
北庭を見ると幾何学的な模様が強調されて、なるほど現代的です。
いつも現代建築の貧弱さを憂うている僕としては、この「東福寺の未来」にチャレンジする作家の心がとても貴重に思えます。
そして、たぶん、それは自然任せの「紅葉」よりも、お寺にとってはるかに価値ある財産ではないでしょうか?
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