2009年7月26日日曜日

鶴林寺その2

「日本建築史」の教科書を紐解くと、以下のような記述があります。

寺院建築には日本独特の優美な「和様」、大陸的で豪快な「大仏様」、同じく大陸的ではあるけれどちょっと繊細で女性的な「禅宗様」という3つの流れがあり、それらを混ぜ合わせたものを「折衷様」と呼ぶ

そしてこの本堂(1937年建立)は「折衷様」の代表的な建物とされており、「国宝」たる所以もここにあります。
しかし細かな理屈はさておき、屋根は中国の寺院ほど反り返っておらず、かといって屋根の勾配はきつく、そびえ立つイメージは「優美な」日本の寺とも少し違うような・・・・僕にとっての「折衷様」はこれで十分・・・とにかく「格好いい」建物でした。

2009年7月19日日曜日

鶴林寺

明石と姫路の間に加古川という町があります。
観光都市としてはあまり有名ではありませんが、この「鶴林寺」は別格。
聖徳太子が建てたといわれるだけあり、国宝や重要文化財がずらりと並んでいます。
手前の鐘楼は1407年、その後ろの太子堂はなんと1112年の建立。よくもまあ、こんな田舎にこんな由緒ある建物が残っていたものだと、感心してしまいます。

この日、法話があったようで、金堂にはおじいちゃん、おばあちゃんが大勢押しかけていました。境内では学校の宿題でしょうか、何人もの学生が僕と同じようにスケッチをしていました。よく見ると、みんな気楽な装いで、どうも近所の人達のようです。このお寺が、遠来の観光客を当てにせず文化財を守ってこられた秘密は、こんな気取らないお寺のコミュニケーションにあるのかもしれません。

2009年7月12日日曜日

生意気な娘

久々に人物画です。
このモデルさんは、その服装でわかるとおり、如何にも現代的で、伝統的な女性美を求める僕にとって、最初は、いささか物足りませんでした。

ところがポーズをとり、視線をきりっと定めると、なにやら不思議な魅力が現れるのです。

特に凝ったポーズでもなし、人物画で重要な指先は後ろに隠れたまま・・・この雰囲気はそう、「生意気な娘」そのもの。
僕にとって新たな美意識の発見です。

2009年7月5日日曜日

琵琶湖疏水

三井寺から駅に向かう途中で面白い風景を見つけました。
豊かな樹木が川の両岸を覆い、如何にも涼しげです。
枝葉の下を覗き込むようにして、水の流れを追うと、古そうな石造りのアーチの中に吸い込まれていきます。

立て札を読むと、これが有名な「琵琶湖疏水」・・・でした。
川沿いの木はみな、桜。そして梢の間から透けて見えるのは三井寺の屋根・・・

4月が待ち遠しい!