しかし門をくぐってびっくり。うっそうと生い茂る木立の中、苔むした石畳としっくい塀が、奥へと続いています。ひんやりと湿った空気は、木の葉の涼しげな緑色に塗りこめられて、まさに「静寂」そのもの・・・。
玄関の屋根上に繁る草木だけが、やけに鮮やかで、訪れる人を出迎えてくれているようです。
この魅力的なアプローチ空間に惹かれ、改めて建物のいわれを調べてみると、「1601年細川忠興により建立された」とあります。歴史好きの人ならガラシャ夫人の悲劇を思い起こすにちがいありません。
墓地に並んだ「忠興とガラシャの墓」に納得すると同時に、偶然立ち寄った塔頭にさえ、こんな豊かな空間と歴史のロマンが潜んでいることに感動を覚えてしまいます。
京都の文化と歴史の奥深さは、こんなさりげない佇まいにあるのかもしれません。
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