2009年10月18日日曜日

北浜レトロビル

「水都大阪2009」というイベントをご存知ですか?
大阪の元気を取り戻そうというのが狙いでしょうか、色々な催し物が企画され、市民の注目度も高かったような気がします。

もちろんこの街の建築文化を見直す試みもなされました。この「北浜レトロビル」も、そのうちのひとつです。
ご覧のように2階建ての小さな建物で高層ビルに挟まれ、いかにも窮屈そうです。
都市化の波に呑み込まれず、よくも取り壊されずに今日まで生き残ってきたとビルのオーナーを尊敬してしまいます。

設計者も、施工会社の名前も記録が残っていません。しかし入口や窓周りの見事な石の装飾、凝った屋根飾り、落ち着いた本物の煉瓦の外壁はこの建物が大正時代の文化の証(あかし)であることを示しています。
そしてこんな小さな建物でさえ、ここまでデザインしていたということは、実はこの時代は現代よりもはるかに豊かな文化を育んでいたのではないかと思いたくなります。

今のこのビルは紅茶専門店。そして窓の向こうには大川が流れています。
スケッチの後、入り口から内を覗くと「水都」で紅茶を味わおうという人でビルは超満員でした。 ・・・大阪の文化は健在です。

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