神社と言えば「神々しさ」がその身上。
普通の人が本殿に近づくことは許されません。伊勢神宮しかり。出雲大社しかり。
しかし同じ神社でも全国に1万以上あると言われる、「天満宮」はすこし趣を異にします。
祀ってあるのは神ではなく「人」である菅原道真公。
そのせいか、建物も「荘厳」「厳粛」というよりむしろ「品の良さ」「立派さ」を感じてしまいます。
この絵は京都の北野天満宮。
文献に依れば、本殿と拝殿を石の間でつなぐ「八棟造り」という形式の神社で、特徴的なのはその屋根です。
きれいな桧皮葺で、素材感は優しいのに、構成はダイナミックで、複雑に重なる屋根の造形は実にバランスがよく、まさに芸術的です。
そして柱、梁、屋根周りの金細工は密度が高く、どれも超一流の工芸品。
ありがたいのは、巷の「神々しい」神社と違って、この国宝のすばらしさをすぐそばまで近づいて観ることができることです。
さすが学問の神様!・・・探求心旺盛な者に優しいようです。
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