JR札幌駅の南、歩いて10分ほどの距離にこの赤れんがの庁舎があります。
幕末から明治にかけての動乱を思えば、北海道に本格的な洋風建築が建ち始めるのは大正や昭和になってからと勝手に解釈していましたが、なんと竣工は明治21年とあります。
僕がこのブログで描いた神戸の代表的洋館である兵庫県公館は明治35年竣工であることを考えれば、驚くべき速さで北海道に文明開化の波が押し寄せたのがわかります。
おそらく明治政府の威信をかけて建てたのでしょう。正面からみるその姿はドーム屋根を中心に左右対称、間口61mの堂々たる官庁建築そのものです。
左右対象のデザインは建物の背面にも徹底されているようで、観光パンフレットにはその美しさを「後姿美人」とたたえています。
そこでこのスケッチ・・・えっ、そんなに大きく見えない?
そう、これは正面でもなく、後ろでもない、側面のスケッチなのです。
それでも入り口のアーチを中心とした左右対称の構成は守られています。シンボルとしてのドーム屋根もちゃんと見えます。アーチ状の窓など正面には無いパーツもちりばめられており、周到にデザインされた跡が見られます。
美人は「横顔」も美しい・・・などと思ったかどうかはわかりませんが、昔の建築家のこだわりは十二分に伝わってきます。
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