2009年9月、東京のど真ん中に出来たこの建物。
高層ビルに囲まれた地価の高い土地によくもまあ、こんな効率の悪い建物が建ったものです。
しかも、すべて石と煉瓦造りの本物志向。遊園地にあるプラスチックのまがい物ではありません。
建築基準法を守りつつ、現在の技術と材料でこの建物を復元するには相当お金がかかったはず。
噂によれば隣の超高層ビルと同じ金額だったとか・・・。
この建物、もともとは英国人建築家ジョサイア・コンドルによって設計され、明治27年に竣工したオフィスビル。
その後、倣うように続々とオフィスビルが建てられこのあたりは「一丁倫敦(いっちょうロンドン)」と呼ばれるようになったそうです。
私が訪れた時、内部の美術館でちょうど「一丁倫敦と丸の内スタイル」展が開催されていました。
「今日は帝劇、明日は三越」という当時はやったコピーの通り、センスのよいインテリアと衣装で描かれる日常は実に豊かです。
この建物の復元に巨額の投資がなされた狙いはよく知りません。
しかし「建物を設計することは文化を創ること」・・・現代の設計者にはやはり実現困難なこの言葉を思い出させてくれただけで、この建物が再建された甲斐があったと思っています。
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