2015年11月15日日曜日

自宅に絵を飾ろう 紙と筆編

さて、前回でアートを飾る壁面の準備はできました。
でも問題は飾るアートをどうするかです。有名な作家の作品は目が飛び出るくらい高く、当然普通の人には手が出ません。デパートのアート売り場でもかなり高額。しかもどちらかというと派手な作品が多く、ちょっと自分の趣味と合わないなどということもあるでしょう。それほど高価でなく、いろいろな種類の中から好きなアートを選ぶ、これに比較的適した方法はネットショップを探すことでしょう。ただ、楽天やアマゾンでも今のところポスターや複製画の大量販売の店が多く、これぞという作品を探すのは困難なようです。
そこで、お金がかからなくて自分の趣味に合う絵を飾る一番いい方法を教えます。それは「自分で描く」ことです。こう言うと「絵なんて正式に習ったこともないのに素人の私が描けるわけがない」という言葉が返ってきそうですね。でも心配しないでください。さる有名な先生がおっしゃってました。
 「絵に正式というものは無い」と。実はかくいう僕もその言葉を信じて、今日まで絵を続けてきたのですから。では、それを信じたとして、次に何をすればいいのでしょう?
やはりまず道具をそろえることでしょうね。「世の中に出版されている(正式な)水彩画入門」をみればいろいろな道具が網羅されていますので、とことん極めたい人はいろいろと研究してみたらよいでしょう。でも大体において、出だしで時間をかけすぎると、往々にして長続きしません。やはり素早く揃え、すぐ描き始めることをお勧めします。そこで皆さんが僕の絵が好きだという前提で僕が使っている道具を教えます。参考にしてください。
 まずスケッチブック。大きさは0号、SM(サムホール)、6号の3種類が基本です。画材店に行くと、いろいろなスケッチブックが売っていて、あれもこれも手をつけたくなりますが、なるべく種類を減らしましょう。なぜかというと、飾るとき、額をたくさん買わなくてすむからです。
 画家という職業の人はなるべく大きな絵を描こうとするそうです。大きいほうが売れた時、儲かるからだそうです。でも私たちは自分の部屋に飾るのです。大きな絵は物理的に飾れません。小さな絵を描きましょう。せいぜい6号までです。0号でも額に入れればそれなりにリビングで存在感を放ってくれます。むしろ小さいほうが、短時間で枚数をたくさん描け、そうすれば絵を気分に合わせて交換して楽しむこともできます。
 紙質もいろいろありますが、2種類使い分けています。何度も色を重ねたり、紙を洗ったりする作品は300g/の厚手のものがいいでしょう。僕は英国製ラングトンが丈夫で発色がよく、にじみの具合も絶妙なので愛用しています。一方で色よりも線を自由に素早く走らせるときのために薄手の安いものを使います。これは水彩をのせると紙にしわが寄って、絵になりません。それでも色を付けて作品にしたい時があります。そんな時、僕はパソコンで着彩をします。ブログで時々パステル調の他と違う絵が登場しますが、あれはphotoshopを使用して描いたCGです。


 次に筆。断言します。絶対に「弘法は筆を選ぶ」と。毛先が柔らかく、弾力があって、水をよく含むもの。ナイロン系は安価ですがお勧めしません。筆先がすぐにばらけるようになり、美しいラインはひけません。やはりセーブル筆、コリンスキー筆がすばらしい。ここはちょっとお金をかけてください。(ちなみに「セーブル」、「コリンスキー」とは筆そのものの名前ではなくその毛を提供してくれる動物の名前です)写真は僕の愛用の筆です。左から2号の丸筆、6号の丸筆、10号平筆、(特大)平筆
 僕らは小さな絵を描くのですから必要な筆の種類と大きさは限られます。僕の場合はメインは6号の丸筆。僕はこの4本でこのブログに載せたすべての絵を描いています。
 まず6号の丸筆。「正式な」入門書によればたぶんちょっと小さ目ですが、強弱をつければ細い線の太い線も描けるので、自宅のリビングに飾る絵ならばほとんどこの筆一本で描くことさえ可能です。
 背景を描くときは(特大の)平筆(幅15mm)を使います。幅を均一に使ってむらの無い太い線を引いたり、横にして細く強い線切り替えることもできます。(特大の)と書いたのは実は大きな平筆でセーブルやコリンスキーの筆はなかなか見つからないので僕は実は日本画用の平筆を使っています。なので号数も良くわからないのです。
 10号の平筆。使い方は上と同じ。小さめのスケッチブック用です。
 最後に2号の細筆。僕のブログの絵では木々の細かな枝や葉を描いたり、人物の目や口元を描くときにお世話になります。
ほとんどこの4本で描いてしまいますが、念のためその中間サイズの筆も何本か揃えています。この辺りはお好みで構いません。ただやはり安物の筆はいけません。念のため。