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2016年3月13日日曜日

手描きのスケッチとパソコンで絵を描こう その4

1図
2図



 いよいよ今週は「手描きのスケッチとパソコンで絵を描こう」最終回です。どうぞ残りのテクニックを存分にマスターしてください。
ちょっと先週の復習です。海を表現するのに必要な4つのレイアーの一番下は「海色レイアー」。2番目が海の「うねりレイアー」でしたね。これを下図のイエローグレーに重ね、うねりにレイアーマスクをかけて出来たのが先週まででした。(2図)これと完成図(1図)はどこが違うのでしょうか?それが今日のテーマです。
 ポイントは2つあります。ひとつは水面にさざなみの表情がついていること、もうひとつは海の色がまばゆい南国色になっていることです。
 これをペンツールでいきなり描くのが困難なことはもう皆さんも想像がつきますよね。実はパソコンならではの楽なやり方があります。それを教えましょう。
 まずさざなみの表現について。これはフォトショップの「フィルタ」機能を使います。前回は「雲模様」を利用した画像から「海の波紋」フィルタを使いました。今回は同じく「雲模様」から作成した画像に「表現手法」の中にある「輪郭検出」フィルタをかけます。すると雲模様のエッジが縁取られて黒いさざなみのような模様が現れます。このままだと黒い波になってしまうので、さらに「色調補正」の「階調の反転」コマンドを使うと3図ができます。
4図
3図
このままでは絵にならないので海のうねりのときと同様に「遠近法」でぐっと縮めて手前を引き伸ばし、水平線を合わせたのが4図です。だいぶさざなみらしくなってきましたね。
 この画像を先週作成した2図に透明度70%で重ねます。すると5図のようになります。海の色が消えてしまいました。先週の「うねりレイアー」を重ねたときと同じ現象が起きています。つまり汚いグレーがが混色されてしまったのです。
 ですから今回も同じように「波のうねり」画像をそのままレイヤーマスク画像にコピーしてグレーの階調を透明度の階調に置き換えてやります。そして画像モードをやはり「オーバーレイ」にして海色の色彩を強調します。(6図)

5図
6図
これでほとんど完成ですが、でもまだちょっと物足りません。もう少し海の色に明るい南国らしい変化をつけたいのです。
 そこで最後のレイアー「水中反射」を作ります。今回は手前から水平線にかけてブルーグリーンのグラデーションで「水中反射」画像を作って見ました。(7図)
 このレイアーを「さざなみレイアー」の下、「うねりレイアー」の上にオーバーレイモードで入れます。こうして出来た最終のレイアー構成が8図です。すべての透明度を最終的に気に入るまでいじって出来たのが1図の完成図というわけです。
 これで僕のマル秘テクニックは全部教えてしまいました。いかがでしたか?なお疑問のある方はいつでもご連絡を。紙面の都合で省略したさらに細かな要領を教えますよ。
7図

8図




今回のパソコン画は実はこのブログの読者であり、友人であり、辛口の批評家であるK氏が「他の水彩画より気に入った!」といって購入してくれました。
 「手描き」の良さにこだわる僕としては、ちょっと複雑な気分ではありましたが、よく考えれば「誰もが手軽に自宅に絵を飾る」という僕の活動目的には、安価で、スピーディーに描けるこの手法は悪くないと気づかせてくれました。
 というわけで、EーSHOP美緑空間では今後このようなCGも増やしていきたいと思います。複数プリントを前提とする作品は価格的にもさらに提供しやすくなると思っています。ご意見ご要望があればお寄せください。
 
追伸
来週からしばらくスケッチ旅行に出かけます。それゆえ、このブログも少しお休みするかもしれません。そのときはお許しを。

2016年3月5日土曜日

手描きのスケッチとパソコンで絵を描こう その3




 読者の皆様へ。お待たせしました。実は今回の内容はとてもマニアックなので内心、あまり見てもらえないかと覚悟していたのですが、ありがたいことに予想は大外れ。
  最近にないアクセス数があり、大いに執筆意欲をかきたてられています。
 フェイスブックに「マル秘テクニック」と銘打ちコマーシャルしたのが効いたのかもしれません。ありがとうございます。

 さて改めて、1番目の図が完成作品。そして今日のテーマは海の表現です。
 波のうねり、海の色の変化、さざなみときらめく光・・・こんな要素を表現するにはどうしたらいいのでしょうか。ここでもレイアーの使い方がポイントになります。
 実は海だけで4つのレイアーを使っています。順に説明してゆきます。
 



 まず「海色レイアー」。ご存知の通り、海はけっして青一色ではありえません。ここでは手前がグリーン、水平線に近くなるほど青っぽくしています。透明度70%で下地のイエローグレーを生かしながら、手前をグリーン、水平線をブルーにしてグラデーションをかけたところです。(2番目の図)









 

  波が静かな湖ならばこのままでもよさそうですね。でもここはハワイ。サーフィンで有名なだけあって水底の起伏や湾の地形や風によって水面に大きなうねりが生じています。これを「水のうねりレイアー」に表現します。
 ここからはちょっと手間がかかります。覚悟してください。まず「うねり」は水面の光と影で表現されます。これを海の色で直接描きあげるのは複雑すぎてきっと挫折します。ではどうすればいいでしょう?
 答えは白黒で海部分のうねりを単純に表現した「水のうねりレイアー」を作り「海色レイアーに重ねればいいのです。
 うねりの光と影の空間を白黒で滑らかに表現するには太いペンとぼかしを使うよりもフォトショップのフィルタ機能「雲模様」コマンドを使うほうが簡単かつ美しい。(3番目の図)
 







  えっ?波に見えない?さっきより悪くなった?大丈夫。心配要りません。次にこのうねりレイアーにフィルタ「海の波紋」コマンドを実行してください。(4番目の図)
  どうです?だいぶ波に見えてきたでしょう?














 
 


 でもまだちょっと変・・・。そう遠近感が無いのです。そこでフォトショップのツールメニューから(編集)→(変形)→(遠近法)を選んでください。
 海部分の画像にハンドルがついていますね。そのハンドルをつかんで手前を広げ、奥を狭めます。あとは水平線をきちんと合わせればご覧の通り。(5番目の図)かなりリアルな海になってきました。
 でもこの「水のうねり」レイアーは透明度80%にしていますが、ご覧の通りグレーが勝ちすぎてほとんど下の「海色レイアーが見えてきません。どうすればいいのでしょう。
 透明度を上げればいいって?残念。透明度を上げれば確かに徐々に青っぽくなるのですが、所詮はグレーが上に乗っているので濁った海色にしかならないのです。










 どうすればいいのでしょう。白いところはそのまま透明度80%で重ねて問題ありません。問題はグレーの部分。グレーが濃くなるに従い、「海レイアー」の青が見えるようにすることです。
 これを実現するためにには「レイアーマスク」という機能を使います。レイアーのツールボックスの今描いている「うねり」レイアーを選択し、ツールメニューの(レイアー)→(レイアーマスクを追加)コマンドを選ぶとうねりの通常のレイアーアイコンの横にもうひとつ真っ白なレイアーマスクアイコンが作成されます。
 次にその真っ白なアイコンをALTキーを押しながらクリックすると画面がレイアーマスク作成画面になります。
 レイアーマスクとはそのレイアー(うねりレイアー)の画像をそのまま残す部分は白で、見せない(透明になる)部分を黒で、中間をグレーで塗りつぶしたレイアーです。
 以上の機能を良く考えてみると白黒のうねりレイアーをそのままレイアーマスクの画像にコピーすればいいことがわかります。(6番目の図)
 つまりうねり画像の白いところは透明度80%でそのまま見え、暗くなるにしたがって下の海色レイアーの画像が透けて見えることになるのです。
 こうすればグレーに汚されること無く青い海色が画面に現れてきます。(7番目の図)
 やっと青い海がよみがえりました。このレイアーマスクを使いこなせるようになると、あなたもプロ並みです。













でもハワイの海にしては、まだちょっと華やかさに欠けます。もっとメリハリをつけたいですよね。そこで今度はレイアーボックスの上方にある「描画モード」を使います。今まではすべて「通常」モード。それを「オーバーレイ」モードに切り替えます。すると「うねりレイアー」の明るい部分は「海色レイアー」の青をさらに明るく、暗い部分はより深い青に変化させてくれます。
 そうして出来たのが8番目の図です。かなり1番目の完成図に近づいてきました。
 でもまだまだ・・・。まず水色に華やかさが足りません。それにさざなみがまったく描けていません。
 残念ながら、またまた長くなってしまったので今週はここまで。続きは来週にします。
 
追伸
 心ある友人がこのブログをみてあんなノウハウを教えていいの?お金をもらったら?と忠告をしてくれました。
 でもご安心ください。無料ですよ。
 

2016年2月20日土曜日

手描きのスケッチとパソコンで絵を描こう

 「人気がいまひとつ」の僕の人物画・・・という愚痴が効いたのかどうかわかりませんが、前回の「女性の表情を描くその2」はなかなかの反響があり、ページビューもかなりの回数にのぼっています。見ていただいた方ありがとうございました。ご質問のある方は遠慮なく「メッセージ欄」へ。なるべく丁寧に返答させていただきます。
 さて今日は「手描きのスケッチにパソコンで色を塗る」がテーマです。なぜこんなテーマにしたかというと、以前絵を描く時「紙は良いものを」と書きました。しかしいかに他の趣味に比べれば安上がりであるとは言え、旅先でのちょっとしたメモ代わりのようなスケッチにまで高級紙を使うのはちょっと気が引けるでしょう。
 さらにもうひとつ、いわゆる高級紙は表面に凹凸があり、ペンが走りにくいので、旅先で本当に短時間でスケッチする時はクロッキー帳のような薄く滑りやすい物のほうがありがたいのです。
 でも旅から帰ると線だけのスケッチが物足りなくなって色を塗りたくなるのが人情というもの。しかしぺらぺらのクロッキー帳では水彩は塗れません。
 そこで考えたのが線画を元にパソコンで色をつける方法。やって見ると意外に早く、楽に、自在に塗れます。昨今は相当のお年よりもパソコンくらい扱えます。皆さんも是非チャレンジしてみてください。
 それでは早速はじめましょう。準備するのはクロッキー帳からぴりりと破り取ったスケッチ、スキャナー、お絵かきアプリのフォトショップ。
 まずはスケッチをスキャンします。モードは「グレーモード」で。
 何故かというと「モノクロ単色」だとサインペンや鉛筆の微妙な、「かすれ」、「にじみ」が読み取れません。
 また「カラーモード」にするとデータ量が多すぎてその後の色付け作業が重くなるからです。
 解像度は400dpi(dot/inchi)が適当です。インターネットを前提としたモニターで見る場合は72dpiでいいのですが印刷を前提とするときは最低360dpiと言われています。
 最初の図がスキャナーで読み取った直後のファイル。ファイル形式は本当はtifがベストですが最近のスキャナーはjpgかpdfしか扱えないものもあるようです。そのときはいったんjpgで読み取り、フォトショップで開き改めてそのままtif形式で保存しておきます。こうするとこの後のフォトショップでの操作で試行錯誤してもいつでも元に戻すことが出来ます。
 パソコンの利点はいくつもあるのですがそのうちのひとつに「自由にレイアウトできること」があります。もしスケッチブックの原画であればこの時点でレイアウトはもう決まっています。あとは色を塗るだけ。
 今回はパソコンなので余白の多い左側をちょうど良いところでカットしました。本当は海の部分が単調なのでもっと思い切ってカットしようかと思ったのですが、構図全体のバランス上このままとしました。あとでこの判断は正解だったと気づきますが・・・。

 
 






次にスキャンしたばかりの画像を加工します。というのはご覧の通り、スキャン直後の画像は全体的になんとなく白っぽく濁った感じになっていて、このままでは色を重ねても美しい画像になりません。
 具体的には僕はフォトショップの「トーンカーブ」機能を利用します。右上の図はスキャン直後のトーンカーブの状態。45度にに直線が延びています。
 画面のぼけたグレー部分を黒にしたいのでトーンカーブをスライドさせ左下の図の状態にします。



























 その時の画像が右上の図。ちょっと黒が多すぎたようですね。本来白いところまで黒くなり汚くなってしまいました。



 















そこで本来白いところは真っ白に、黒いところはかすれの微妙な部分も黒く表現できるようにスライダーを慎重に調整したトーンカーブが左上の状態。
 その時の画面が右図です。どうですか黒い線がくっきりと浮かび上がりましたね。これで下絵の加工完了です。
 次回からいよいよフォトショップでの着彩のテクニックを具体的にお伝えしたいと思います。ご期待下さい。

2015年12月27日日曜日

自宅に絵を飾ろう 風景画編 その2

 訳あって先週のブログ休んでしまいました。風景画の着彩編を期待していた方、すみませんでした。一週間遅れですがじっくりとお読みください。
 さて前回、風景画で一番重要なことは構図だと言いました。でも水彩画の水彩たる所以は水の使い方にあります。油絵の場合は、パレットで十分混色し、必要な色を作ってからキャンバスに塗るのが普通です。
 ところが水彩画の場合は紙の上で色を混色した方が面白い効果が出ます。いわさきちひろの柔らかな混色は水彩ならではのものです。
 一方油絵の場合は、失敗しても上から厚い絵の具を塗り重ねてしまえば、新たな表現を作ることが可能です。でも水彩画は基本的に透明色なので、一度塗った色は、上に他の色を重ねてもその影響がなくなることはありません。そこが水彩画の怖いところですが、テクニックを活かす楽しいところでもあります。
 以上の原則を頭に入れた上で薄く全体に色を入れたのが下の絵です。

 背景となる山は紙の上で混色させ、にじむ黄色と緑で山の微妙な肌合いを表現することにします。一方建物の立体感を出すにはやはり影が重要です。最初に軒下の影となるところにプルシャンブルーを重ねます。単調なブルーではなく水を含ませ濃い、うすいを調整しながら塗っていきます。軒の水平線、うだつの白壁のリズムが強調され画面の基本構成が確認できます。このブルーの上に木材の茶色を重ねると下のブルーの影と木材の茶色の質感が溶け合って写実的な表現が可能になります。
 悩んだのは道路。最初に危惧したとおり、単調で広すぎます。しかも現地の色は車も通るグレーのアスファルト舗装。そのままではますますつまらない画面になりそうなので、思いきって山の黄色の補色である紫をおいてみました。・・・どうやらなじむよう。これで違和感無く収まりそうです。

 大体の方針が確認できたので、色をつけていきます。すでにブルーで明暗が塗り分けられているので中心となる木材の色は一色でも表現できるはずですが、ベースの茶色を決めた後、単調さを避けるため、赤っぽいもの、黄色っぽいものと計3色の茶色を使い分けました。
 どう使い分けたか、画面を良く見て皆さんで考えてみてください。
山並みも基本のぼかしを生かしたまま、全体的に濃くしてゆきます。地面は紫をベースに明暗をつけ、単調にならぬよう筆の跡を意図的に残します。
最後に右下にサインを。なお、用紙が小さいとサインが逆に邪魔に感ずるときがあります。そういう時は無理せず裏面に日付入りでサインをしておきましょう。
 なお例によってこの絵も早速E-SHOP「美緑空間」に出品しておきました。原画をご希望の方はそちらを覗いてみてください。

2015年12月6日日曜日

自宅に絵を飾ろう 人物画編その2・・・着彩



 今日は着彩のテクニックをお見せしましょう。 
人物とバックの明暗を鉛筆でつけ終えたら、まず薄く全体に着彩します。
 服のブルーは一色だけです。濃淡が見えますが下の鉛筆の濃淡が見えているだけ。
 肌の色は2色のみ。明るい部分はピンクっぽい赤(パーマネントローズ)と薄い黄色(ウインザーイエロー)、影の部分は濃い赤(パーマネントアリザリンクリムソン)と来い黄色(カドミウムイエローディープ)、それに少しだけ濃いブルー(プルシャンブルー)を混ぜています。
今回は服がブルーでやや暗いため、バックはあまり暗くしないことにします。この段階では薄く、黄色と赤をまぜベージュのような色合いにしておきます。








 全体の色調を確認した後、もう一度明暗を細かく観察します。
すると濃いところはもっと濃いことに気がつきます。たとえば髪の毛や手や足の細かな影、瞳など・・・。
2Bから4Bの鉛筆を使って細かな影を水彩絵具の上からさらに描きこみます。














 濃淡のバランスがほぼ決まったら、最後にもう一度最終的な着彩を施します。服のブルーは濃いところに緑や茶色を加え、色彩の深みを出します。胸のスカーフはアクセントになるのでちょっと濃い目にしました。
 肌色をもう一度重ね塗りして華やかに。顔の影の濃いところにももう少しブルーを重ねます。目や頬、唇も微妙な色を気に入るまで加えます。
白のブラウスは白色を塗ったわけではなく、基本は紙の白と鉛筆の濃淡を生かしていますが、最後に薄いブルーや茶色でバックとの調和をはかります。
背景は人物を引き立たせるため、ベージュに少しずつブルーや茶色を足してゆきます。

全体が落ち着いたところで完成。最後に右下にサインを入れましょう。
 さて皆さんいかがでしょうか?絵に「正式」は無いとはいえ、他人の描き方は参考になるはずです。是非自分でチャレンジし、自宅に自分の絵を飾ってみて下さい。
ご要望があれば今後もこんな作画プロセスを公開したいと思います。ご意見をメッセージ欄でお寄せください。
  なおこの絵は早速E-SHOP美緑空間に出品しました。原画をご希望の方は売切れないうちにどうぞ。






2015年11月29日日曜日

自宅に絵を飾ろう 人物画編その1・・・下描き

 さていよいよ水彩画を描きましょう。まず僕の好きな人物画編から。人物画でまず最初に悩むのは「モデル」。一番手っ取り早いのは鏡を見て描く自画像でしょう。僕も昔はずいぶん自画像を描きました。さすがにもう自分の顔は飽きたので今は、近くのカルチャーセンターの人物画教室で描いています。ポーズをとりなれたプロのモデルさんにお願いできるし、モデル代は教室のメンバー全員で負担することになるので当然安くつくからです。
 まずは下描き。もちろん以前書いたように「正式な」方法というものは無いので基本的には自由に描いていいのですが、せっかくこのブログを覗いてくれる皆さんには、僕の作画プロセスをお見せしましょう。それなりに面白いはずです。
 下書きにはサインペンまたは鉛筆を使っています。どちらも好きですが、今日は鉛筆で下書きをしてみます。

 使う鉛筆は三菱ユニとハイユニ。とくに高級品ではありません。硬さは4H、3H、2H、H、HB、2B、3B、4Bと8種類の鉛筆を使います。そんなに使うの?という声が聞こえてきそうですね。確かに2Bくらいの鉛筆でラフにあたりをとり、すぐに水彩で着色する方法もありますが、人物画の場合、僕は鉛筆だけでほとんど濃淡を取り、色は淡彩で薄く重ね塗りをするようにしています。肌に落ちる微妙な影は鉛筆の表現になじむと思うからです。
 この写真は描き始めて1時間くらい。大まかなプロポーションと濃淡を決めたところです。この段階で使っている鉛筆は3HからHBくらいまで。なるべくスピーディーに描き、間違っても線は消さないようにしています。悩んだところ、あるいは正しい線が潜んでいるところが何度も重ねるので濃くなります。
 ここまで出来ると、あとは2B、3B、4Bと濃いところを徐々に濃くし、明るいところは練りゴムで面を削るようにしてこすった後、3H、または4Hでもう一度濃淡を調整します。
本当はこの後半のプロセスの写真もあればいいのですが、この日は描くことに夢中になっていて、この後の鉛筆の作画状況を記録するのを忘れてしまいました。すみません。次の機会には色をつけ始める直前のスケッチも是非載せたいと思います。
次回は着彩編です。お楽しみに。
 なお自分で実際に試してみて、「うまくいかない!」と思った方、右蘭のメッセージ蘭をご利用ください。なるべくすぐに返信したいと思います。
 
 

自宅に絵を飾ろう 絵の具編


紙と筆が決まったので最後は絵具。これもあまり安いものはお勧めしません。僕が使っているのはウインザーニュートンの固形絵具の24色セット。微妙な色が出るのと追加で入手できる色の種類が多いので気にいってます。特に色の少ないセットでは緑がビリジアンしかなく、表現がどうしても貧しくなります。自分の気に入った緑色を探して追加みるのも楽しいかもしれません。



これが僕が使っている絵の具 。お世辞にも綺麗とは言えませんが、もう8年も使っていて300枚ほどの作品を生み出してくれています。
 紙も筆も絵具も安物は基本的にはお勧めしないと言いました。でも考えてみて下さい。僕が使っている道具全部揃えても多分1万円しません。世の中の大部分の趣味より圧倒的に安いと思いませんか?ちょっとだけいい材料を買って、さあ始めましょう。
自宅に絵を飾る第一歩です。

2015年11月15日日曜日

自宅に絵を飾ろう 紙と筆編

さて、前回でアートを飾る壁面の準備はできました。
でも問題は飾るアートをどうするかです。有名な作家の作品は目が飛び出るくらい高く、当然普通の人には手が出ません。デパートのアート売り場でもかなり高額。しかもどちらかというと派手な作品が多く、ちょっと自分の趣味と合わないなどということもあるでしょう。それほど高価でなく、いろいろな種類の中から好きなアートを選ぶ、これに比較的適した方法はネットショップを探すことでしょう。ただ、楽天やアマゾンでも今のところポスターや複製画の大量販売の店が多く、これぞという作品を探すのは困難なようです。
そこで、お金がかからなくて自分の趣味に合う絵を飾る一番いい方法を教えます。それは「自分で描く」ことです。こう言うと「絵なんて正式に習ったこともないのに素人の私が描けるわけがない」という言葉が返ってきそうですね。でも心配しないでください。さる有名な先生がおっしゃってました。
 「絵に正式というものは無い」と。実はかくいう僕もその言葉を信じて、今日まで絵を続けてきたのですから。では、それを信じたとして、次に何をすればいいのでしょう?
やはりまず道具をそろえることでしょうね。「世の中に出版されている(正式な)水彩画入門」をみればいろいろな道具が網羅されていますので、とことん極めたい人はいろいろと研究してみたらよいでしょう。でも大体において、出だしで時間をかけすぎると、往々にして長続きしません。やはり素早く揃え、すぐ描き始めることをお勧めします。そこで皆さんが僕の絵が好きだという前提で僕が使っている道具を教えます。参考にしてください。
 まずスケッチブック。大きさは0号、SM(サムホール)、6号の3種類が基本です。画材店に行くと、いろいろなスケッチブックが売っていて、あれもこれも手をつけたくなりますが、なるべく種類を減らしましょう。なぜかというと、飾るとき、額をたくさん買わなくてすむからです。
 画家という職業の人はなるべく大きな絵を描こうとするそうです。大きいほうが売れた時、儲かるからだそうです。でも私たちは自分の部屋に飾るのです。大きな絵は物理的に飾れません。小さな絵を描きましょう。せいぜい6号までです。0号でも額に入れればそれなりにリビングで存在感を放ってくれます。むしろ小さいほうが、短時間で枚数をたくさん描け、そうすれば絵を気分に合わせて交換して楽しむこともできます。
 紙質もいろいろありますが、2種類使い分けています。何度も色を重ねたり、紙を洗ったりする作品は300g/㎡の厚手のものがいいでしょう。僕は英国製ラングトンが丈夫で発色がよく、にじみの具合も絶妙なので愛用しています。一方で色よりも線を自由に素早く走らせるときのために薄手の安いものを使います。これは水彩をのせると紙にしわが寄って、絵になりません。それでも色を付けて作品にしたい時があります。そんな時、僕はパソコンで着彩をします。ブログで時々パステル調の他と違う絵が登場しますが、あれはphotoshopを使用して描いたCGです。


 次に筆。断言します。絶対に「弘法は筆を選ぶ」と。毛先が柔らかく、弾力があって、水をよく含むもの。ナイロン系は安価ですがお勧めしません。筆先がすぐにばらけるようになり、美しいラインはひけません。やはりセーブル筆、コリンスキー筆がすばらしい。ここはちょっとお金をかけてください。(ちなみに「セーブル」、「コリンスキー」とは筆そのものの名前ではなくその毛を提供してくれる動物の名前です)写真は僕の愛用の筆です。左から2号の丸筆、6号の丸筆、10号平筆、(特大)平筆
 僕らは小さな絵を描くのですから必要な筆の種類と大きさは限られます。僕の場合はメインは6号の丸筆。僕はこの4本でこのブログに載せたすべての絵を描いています。
 まず6号の丸筆。「正式な」入門書によればたぶんちょっと小さ目ですが、強弱をつければ細い線の太い線も描けるので、自宅のリビングに飾る絵ならばほとんどこの筆一本で描くことさえ可能です。
 背景を描くときは(特大の)平筆(幅15mm)を使います。幅を均一に使ってむらの無い太い線を引いたり、横にして細く強い線切り替えることもできます。(特大の)と書いたのは実は大きな平筆でセーブルやコリンスキーの筆はなかなか見つからないので僕は実は日本画用の平筆を使っています。なので号数も良くわからないのです。
 10号の平筆。使い方は上と同じ。小さめのスケッチブック用です。
 最後に2号の細筆。僕のブログの絵では木々の細かな枝や葉を描いたり、人物の目や口元を描くときにお世話になります。
ほとんどこの4本で描いてしまいますが、念のためその中間サイズの筆も何本か揃えています。この辺りはお好みで構いません。ただやはり安物の筆はいけません。念のため。



2015年11月8日日曜日

自宅に絵を飾ろう 壁面編

 10月7日〜11日まで、初の個展を終えてから早くも1ヶ月がたってしまいました。5日間で合計118名のお客様にお越しいただき、とりあえず大成功だったと思っています。
作品集「美緑空間」も展示作品も想像以上に好評でかなりの数をご購入いただきました。
この場を借りて改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。

  さてこれを機に、このブログの構成を少し変えようと思います。
今までは、僕の作品の個人的な紹介が中心でしたが、これからは絵を描く楽しみをなるべく多くの人と共有できるようなスペースにしたいと思います。
 そこで今日はその第一弾。
「自宅に絵を飾ろう!」です。皆さんの自宅のリビングでも自分の部屋でもいいのですが、普段自分が生活する場所に何かのアートを飾っていますか?えっ、飾っていない?
なぜでしょう。たぶん基本的な理由は2つあります。ひとつは飾る場所がない。もうひとつは飾るアートがないことでしょう。・・・そこで今日は飾る場所について考えたいと思います。
 アートは普段の日常生活を彩ってくれます。ということは、めったに人の来ない応接間や、ちょっと立ち止まるだけの玄関などは本当は飾る場所として相応しくありません。まして納戸に大切にしまったきりなどというのは言語道断です。
 でも玄関や応接間と違い自分の部屋やリビングにはたぶん生活臭のある家具が所狭しと並んでいます。そんな中にアートを飾ってもねえ・・・・。と今までは諦めることになっていたはずです。

そこで提案。壁の一面だけまず色を変えてみましょう。色は思い切って濃いブルーなどはいかがですか。すると不思議なことに、その壁面には家具を置きたくなくなります。
そしたらついでに天井にピクチャーレールを設置してみましょう。
こうなると人情として絵を飾らずには入られません。
時々絵を入れ替えて楽しむこともできます。
僕の自宅の改修例です。参考にしてください。今までとはちょっと違った日常が始まるに違いありません。