2015年12月6日日曜日

自宅に絵を飾ろう 人物画編その2・・・着彩



 今日は着彩のテクニックをお見せしましょう。 
人物とバックの明暗を鉛筆でつけ終えたら、まず薄く全体に着彩します。
 服のブルーは一色だけです。濃淡が見えますが下の鉛筆の濃淡が見えているだけ。
 肌の色は2色のみ。明るい部分はピンクっぽい赤(パーマネントローズ)と薄い黄色(ウインザーイエロー)、影の部分は濃い赤(パーマネントアリザリンクリムソン)と来い黄色(カドミウムイエローディープ)、それに少しだけ濃いブルー(プルシャンブルー)を混ぜています。
今回は服がブルーでやや暗いため、バックはあまり暗くしないことにします。この段階では薄く、黄色と赤をまぜベージュのような色合いにしておきます。








 全体の色調を確認した後、もう一度明暗を細かく観察します。
すると濃いところはもっと濃いことに気がつきます。たとえば髪の毛や手や足の細かな影、瞳など・・・。
2Bから4Bの鉛筆を使って細かな影を水彩絵具の上からさらに描きこみます。














 濃淡のバランスがほぼ決まったら、最後にもう一度最終的な着彩を施します。服のブルーは濃いところに緑や茶色を加え、色彩の深みを出します。胸のスカーフはアクセントになるのでちょっと濃い目にしました。
 肌色をもう一度重ね塗りして華やかに。顔の影の濃いところにももう少しブルーを重ねます。目や頬、唇も微妙な色を気に入るまで加えます。
白のブラウスは白色を塗ったわけではなく、基本は紙の白と鉛筆の濃淡を生かしていますが、最後に薄いブルーや茶色でバックとの調和をはかります。
背景は人物を引き立たせるため、ベージュに少しずつブルーや茶色を足してゆきます。

全体が落ち着いたところで完成。最後に右下にサインを入れましょう。
 さて皆さんいかがでしょうか?絵に「正式」は無いとはいえ、他人の描き方は参考になるはずです。是非自分でチャレンジし、自宅に自分の絵を飾ってみて下さい。
ご要望があれば今後もこんな作画プロセスを公開したいと思います。ご意見をメッセージ欄でお寄せください。
  なおこの絵は早速E-SHOP美緑空間に出品しました。原画をご希望の方は売切れないうちにどうぞ。