菅沼集落を発ち、いよいよ白川郷へ。白川郷の特徴は何といってもその広さ。世界遺産登録面積だけで46ha。その広大な村落に60棟の合掌造りが残っています。相倉、菅沼集落とはくらべものになりません。
さて今日のスケッチ。3棟の合掌造り民家が重なり合うように建っています。でも実は人の視線で「3棟」が重なることはとてもまれなのです。
少しでも「合掌造り集落らしい」構図とするためには画面に入る民家は多ければ多いほどいいのですが、相倉と菅沼ではどんなに歩き回っても「2棟」までしか画面に入りませんでした。つまりそれほど残っている民家の密度が低いということです。
僕と同じことを考える写真家がいたようです。みやげ物屋に同じ構図の観光ポスターを見つけました。でもそれはたぶん僕とカメラマンの感性の鋭さを示すものではなく、「絵になる」村落の風景が白川郷でさえ減ってきたという、この村の危機を現しているのかもしれません。