2008年9月28日日曜日

淡路島の農村

神戸からパールブリッジ(明石海峡大橋)を渡り淡路島にやってきました。
有名な安藤忠雄さんの「水御堂」を見に来たのですが、バスは一日に数本しかない、相当な田舎です。

その田舎道をバス停に向かって歩いていると、こんな風景に出会いました。
刈り入れには少し早いのでしょうか?それでも一面に実った稲穂は本当にきれいです。
もう秋とは言え、まだまだ暑い日差の下で汗だくになってスケッチをしました。

このスケッチには、前回体験したような江戸時代の文化財は登場しません。でも素朴な田園風景には瓦屋根と板張りの農家で十分のようです。タイムスリップしなくとも、「田舎らしさ」を満喫した、すばらしい一日でした。

2008年9月21日日曜日

江戸の民家 その2

先週に引き続き生活感あふれる民家をご紹介します。
やはり江戸時代、武蔵野にあった農家(天明家)です。
かなり格式の高い家だったようで、破風のついた茅葺屋根が独特のたたずまいを見せています。
立派な門構え、前庭も中庭もあり、こっそり覗き見できる雰囲気ではありません。
でも、ご覧のように、画面に漂うほのぼのとした生活感はやはり日本の農家。「日本昔ばなし」の世界がここにあります。

2008年9月14日日曜日

江戸の民家

前回触れた「生活感」をもっとも直接的に表しているのは「民家」でしょう。「江戸東京建物園」にもいくつかの民家が保存されており、これはそのうちのひとつ、江戸時代の農家「吉野家」です。

ここでは、木々の間からその生活感を垣間見ることができます。
縁側ではおばあさんが縫い物をしているし、部屋の奥では囲炉裏に火がついているようで、その煙が屋根から立ち上っています。
農家独特の懐かしい、少し湿った農作物の匂いと乾いた土の匂い・・・。

保存されているのは建物だけではありません。まるで江戸時代にタイムスリップしかのような、のどかな農村の午後の情景そのものでした。

2008年9月7日日曜日

懐かしい・・・

このブログでは古いお寺や明治時代の有名な建物を取り上げることが多いのですが、本来のテーマが「人」であったことを思い起こすと、もっと生活感のある風景を描くべきだったのかもしれません。・・・

何故突然こんなコメントを載せたかというと、先日東京小金井市にある「江戸東京たてもの園」を訪れたからです。

ここには建築を志す人にはとても有名な「前川國男邸」など学術的に価値ある建物も多いのですが、僕が心惹かれたのは懐かしいこの路地裏の風景です。

暑い夏を少しでもすごしやすくするため、どの家も競うように鉢植えを家の前に並べます。そして地面にはもちろん打ち水。
極めつけは窓桟に干された布団・・・・。

数日後、偶然この建物園が新聞記事に載っていました。布団はボランティアの人たちの演出で、そのアイデアを出したのは建築家の「藤森照信」さんだとか。

正直言うと博物館的に作られた「保存」には抵抗を感じないのでもないのですが、思わずスケッチをしてしまったこの「懐かしさ」はまちがいなく「保存」する価値があります。
藤森さんも「生活感」が立派な文化だと認めてくれたにちがいありません。