水彩画が好きな人のサイトです。あなたは漫然と絵を描いていませんか。旅先で描く風景画、魅力的な人物画などプロのテクニックを教えます。美緑空間は下記のサイトに移動しました。 https://miryoku-yoshine.com/
2010年8月29日日曜日
真夏の六甲山
この日、暑さを避けて六甲山にやってきました。
ここ六甲山ホテルの展望台から見ると、大阪湾をはさんで神戸の町並みと神戸空港、そして関西国際空港が一直線に並ぶのがわかります。
この小さな発見に少し興奮して早速、スケッチを始めました。
しかししばらくすると突然、真っ白な霧が僕の周りを包んで、あっと言うまに何も見えなくなりました。しかも霧の水分が猛烈な風に乗って僕の体温を奪っていきます。
山で遭難するとはこういうことかと実感しつつ、あわてて館内へ避難。
描きかけでやめるわけにもゆかず天気が晴れるのを待つこと1時間。
やっと霧が晴れ、先ほどの風景が現れましたが、視界の隅はやはり霞んでいつまた見えなくなるか予断を許しません。
海も山も白いベールをまとったように、鈍く光ります。それでいて街中だけが明るく灼熱の太陽で焼かれているのがわかります。
手早く残りのスケッチを終えたとたん、予想通りまたしても霧。
「真夏の六甲山」から神戸の街を見る・・・。
当然、期待するのは「輝く青い海」と「ソフトクリームのような白い雲」。
残念ながら今年の夏はそれを許してくれませんでした。
2010年8月22日日曜日
あかがね御殿のDNA
「わがまち加古川50選」によれば、「あかがね御殿」を建てたのは多木化学の創業者多木久米次郎氏だそうです。
そして、山陽電鉄別府駅からあかがね御殿へ至るルートにやはり少し風変わりな外観の多木化学の本社があり、その隣にいわくありげに佇むこの民家があります。
よく見るとこの民家は少々風変わりです。
まず、通常独立して建てられる蔵の外壁が母屋と繋がっているのでそれだけで、面白い形になります。しかも高さの違う棟ごとに別々の屋根を複雑に重ね、一体とする構成は普通の民家とは一味違います。
スケッチをし、帰ってから詳しく調べてみると、この民家はなんと多木久米次郎氏の生家だったようです。
言われてみれば、「あかがね御殿」の不思議なデザインと共通するものがあります。
きっと多木氏の「建築好き」DNAがまさにこの「生家」で醸成されたに違いありません。
そして、山陽電鉄別府駅からあかがね御殿へ至るルートにやはり少し風変わりな外観の多木化学の本社があり、その隣にいわくありげに佇むこの民家があります。
よく見るとこの民家は少々風変わりです。
まず、通常独立して建てられる蔵の外壁が母屋と繋がっているのでそれだけで、面白い形になります。しかも高さの違う棟ごとに別々の屋根を複雑に重ね、一体とする構成は普通の民家とは一味違います。
スケッチをし、帰ってから詳しく調べてみると、この民家はなんと多木久米次郎氏の生家だったようです。
言われてみれば、「あかがね御殿」の不思議なデザインと共通するものがあります。
きっと多木氏の「建築好き」DNAがまさにこの「生家」で醸成されたに違いありません。
2010年8月15日日曜日
あかがね御殿
「人」と「建築」をテーマとするこのブログの性格上、どうしても、いわゆる「重要文化財」の類を取り上げることが多くなります。
ですから今日は、有名な寺院に「飽きてきた」かもしれない人のために、少々奇妙な建物を紹介します。
以前、鶴林寺を訪れた時、駅の観光案内で「わがまち加古川50選」という小冊子をもらいました。
この「あかがね御殿」はその中で偶然発見したものです。
地元では有名らしいのですが、建築の専門書にはまったく記載されていない「アウトロー建築」です。
何しろいくつもある屋根のかけ方や角度、方向がばらばらで統一性が無く、窓もその高さ、大きさ、プロポーションにやはり規則性がありません。
建築家としては、「常識知らず」と言われても仕方がない建物です。
しかも外装はなんと銅板張り。出来た当時は「ぴかぴかに輝いていた」というのも、日本人の美意識からするとちょっといただけません。
それでも、現物を見ると、別府(べふ)港という小さな港に面していることもあり、たいそう存在感があります。
全体のデザインも不思議と格好良く、十二分に絵になります。こんなものを設計する人は一体誰だ?とインターネットのあちこちのサイトを調べましたが「不詳」とのこと。
残念です・・・本当の天才を知ることができたかもしれなかったのに。
(なお、この建物は平成14年に国の登録有形文化財となったそうです。その意味では「アウトロー」は少々言いすぎ?)
ですから今日は、有名な寺院に「飽きてきた」かもしれない人のために、少々奇妙な建物を紹介します。
以前、鶴林寺を訪れた時、駅の観光案内で「わがまち加古川50選」という小冊子をもらいました。
この「あかがね御殿」はその中で偶然発見したものです。
地元では有名らしいのですが、建築の専門書にはまったく記載されていない「アウトロー建築」です。
何しろいくつもある屋根のかけ方や角度、方向がばらばらで統一性が無く、窓もその高さ、大きさ、プロポーションにやはり規則性がありません。
建築家としては、「常識知らず」と言われても仕方がない建物です。
しかも外装はなんと銅板張り。出来た当時は「ぴかぴかに輝いていた」というのも、日本人の美意識からするとちょっといただけません。
それでも、現物を見ると、別府(べふ)港という小さな港に面していることもあり、たいそう存在感があります。
全体のデザインも不思議と格好良く、十二分に絵になります。こんなものを設計する人は一体誰だ?とインターネットのあちこちのサイトを調べましたが「不詳」とのこと。
残念です・・・本当の天才を知ることができたかもしれなかったのに。
(なお、この建物は平成14年に国の登録有形文化財となったそうです。その意味では「アウトロー」は少々言いすぎ?)
2010年8月8日日曜日
同志社クラーク記念館
良い建物なのに、一般の人が見ようとすると、写真はもちろんスケッチもだめという施設が増えてきました。(特に京都の有名なお寺ほどその傾向が強いとか・・・)
そんな中、同志社は重要文化財の建築が多いにもかかわらず、一般の人も自由に入って見ることができます。(もちろんスケッチしていて、入場料を要求されたり、とがめられたりすることはありません)
自由な精神を愛した新島襄の心意気に「感謝!」です。
さてこのクラーク記念館は明治26年竣工。設計はR・ゼールです。
この日、どこかのカルチャーセンターの風景画教室があったようで、何人もの「熟年受講生」達がスケッチブックを片手に構内で奮闘していました。
近くに陣取って、スケッチする僕が気になったのでしょうか、30分ほどで線描きを終えた頃、声をかけてくれました。
「もう終わったの?早いですね!」・・・と。
思わぬ問いかけに「はい、いえ・・・、ありがとうございます・・・」
ちょっと言葉に詰まったものの、日曜画家達のコミュニケーションに暖かいものを感じました。
昨今、色々と不安視される老人大国日本の社会も捨てたものではありません。
そのためにも「建物スケッチくらい自由にさせろ!」と言いたいのですが・・・。
そんな中、同志社は重要文化財の建築が多いにもかかわらず、一般の人も自由に入って見ることができます。(もちろんスケッチしていて、入場料を要求されたり、とがめられたりすることはありません)
自由な精神を愛した新島襄の心意気に「感謝!」です。
さてこのクラーク記念館は明治26年竣工。設計はR・ゼールです。
この日、どこかのカルチャーセンターの風景画教室があったようで、何人もの「熟年受講生」達がスケッチブックを片手に構内で奮闘していました。
近くに陣取って、スケッチする僕が気になったのでしょうか、30分ほどで線描きを終えた頃、声をかけてくれました。
「もう終わったの?早いですね!」・・・と。
思わぬ問いかけに「はい、いえ・・・、ありがとうございます・・・」
ちょっと言葉に詰まったものの、日曜画家達のコミュニケーションに暖かいものを感じました。
昨今、色々と不安視される老人大国日本の社会も捨てたものではありません。
そのためにも「建物スケッチくらい自由にさせろ!」と言いたいのですが・・・。
2010年8月1日日曜日
貴船神社
疲れました・・・。
鞍馬山から貴船へ約2時間。
これほど険しい道とは・・・いやこれほど体力が衰えているとは・・・と言ったほうが良いのでしょうか。
とにかく何とか貴船神社にたどり着きました。
参道の入り口は有名な赤い灯篭の並ぶ石段。
スケッチするのに魅力的な構図ですが、疲れ果てた体で正確な段と灯篭の繰り返しを描ききる自信がなく、パス。
しばらく散策していると、涼しげな光景に出会いました。
鳥居と橋、そしてその下に森の奥から滝となって落ちてくる水が流れています。
飛び散る水滴はまわりの空気を緑色に染めて、まるで生命が宿っているようです。
その空気を十分に吸い込んだせいでしょうか?
体力も気力も一気に回復。
無事スケッチを終え、家までたどり着くことが出来ました。
下界はもちろん猛暑。 また疲れが倍になったような・・・。
鞍馬山から貴船へ約2時間。
これほど険しい道とは・・・いやこれほど体力が衰えているとは・・・と言ったほうが良いのでしょうか。
とにかく何とか貴船神社にたどり着きました。
参道の入り口は有名な赤い灯篭の並ぶ石段。
スケッチするのに魅力的な構図ですが、疲れ果てた体で正確な段と灯篭の繰り返しを描ききる自信がなく、パス。
しばらく散策していると、涼しげな光景に出会いました。
鳥居と橋、そしてその下に森の奥から滝となって落ちてくる水が流れています。
飛び散る水滴はまわりの空気を緑色に染めて、まるで生命が宿っているようです。
その空気を十分に吸い込んだせいでしょうか?
体力も気力も一気に回復。
無事スケッチを終え、家までたどり着くことが出来ました。
下界はもちろん猛暑。 また疲れが倍になったような・・・。
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