2011年7月18日月曜日

安間家住宅

城下町につきものの武家屋敷。
ただし廃藩置県のとき全国いたるところで、大名屋敷は取り壊され、現在残るのはほとんどが下級武士の「侍屋敷」だそうです。

ここ篠山に残る安間家も「御徒町」にある住宅で、藤沢周平の時代小説によく登場する、いわゆる「10石三人扶持」の(たぶん)貧しい武士の家です。
門も母屋も屋根は瓦でなく茅葺。裏庭にも作物を栽培していた跡が見えます。
建物はそれなりの広さがあるものの、下僕を雇わねばならない生活は楽ではなかったことが見て取れます。
でも、座敷に座り、この小さな坪庭を眺めていると不思議にほっとするものを感じます。
武家とはいえ、現代の私達と同じようにこの庭で季節の移り変わりを話題にしたに違いありません。
有名寺院の庭園のような広さも凝った意匠もありませんが、ここには当時の人の心が残されているような気がします。

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