2007年3月27日火曜日

花見



花見の季節です。
若いころは、大人の「宴会」のだらけた雰囲気がなじめず、ばかにしていたことを白状します。

でも最近は、同じ「美しい」桜を見ても、一緒に見る人によって、会話が違うということに気づき、花見の面白さにやっと、目覚めたというわけです。
だから、友人と行っても、会社の上司や後輩と行っても、家族と行ってもそれぞれ違う花見を心から楽しんでいます。

さてこの絵は1989年に描いているのですが、なんとなく花見らしくありません。
花は満開なのですが、人がいません。出店も、ちょうちんもなく、あるのは民家と広い空のみです。

この頃、私はあるプロジェクトの設計のため、ここ四国今治に単身赴任していました。
たまの休日に一人で、することも無く、川べりを歩いていてこの風景に出会いました。

桜の咲き具合を語り合う人がいるわけでもなく、宴会を楽しむわけでもありません。ただ暖かい陽射しの中で、目の前に広がるピンク色をスケッチブックに重ねていました。
皆で楽しむ花見も楽しいのですが、一人の花見もよいものです。
絵が出来きてそろそろ帰ろうと思っていた時、お母さんと一緒に散歩に来ていた女の子が僕の絵をのぞき込んで「きれい」とほめてくれました。
「ありがとう」・・・僕の気持ちを理解してくれて。

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